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【高校野球】ドラフト1位候補右腕 横浜・藤平尚真 相手打線が想定外だった“武器”

Full-Count 8月11日(木)9時29分配信

藤平対策を練った東北、最速152キロに打ち負けない練習も13K

 決めにいく直球で空振りを奪うたび、甲子園のスタンドはどよめいた。横浜・藤平尚真投手の圧巻の奪三振ショーは初回から始まった。9日の1回戦・東北(宮城)戦。1回表の東北・杉沢龍内野手から2回表の伊勢隼内野手まで5者連続三振。7回途中まで投げて13奪三振1失点の投球で、名門・東北打線を寄せつけなかった。

 宮城大会で東北高はチーム打率.374。レギュラー選手のほとんどが3割を超え、犠打や盗塁もできる選手が揃う。主砲の植木利久内野手らを中心に、打力に自信があるチームだった。

 組み合わせで横浜との対戦が決まった後も、藤平を打つために対策は練った。まずは打撃マシンの球速。通常よりも10~20キロ速めて、約150キロ~160キロに設定した。さらにマシンを通常の距離よりも2~3メートル前に設置。ナインたちが「今までこんな速い球速で打ったことがなかった」と未体験の球速。最速152キロ右腕のスピードに打ち負けないように打撃練習を積んだ。

 しかし、藤平の前に13三振。そのうち11個が直球で奪われた。東北打線はこのドラフト1位右腕の球をどのように見ていたのだろうか。

途中から伸びあがる力強いストレート「こんなにも当たらないか…」

 5者連続三振の後、最初にボールを前に飛ばしたのは6番の千葉隆誠外野手だった。「打ったボールは外角球。真ん中からインコースのボールは速くて対応できないと思った。僕の得意なコースの外を待っていたのでバットに当たりました」。打球は遊撃手へのゴロだった。予想以上にボールは速く、内角の球は完璧にコントロールされ、手が出なかったという。

 初めて外野にボールを飛ばしたのは7番の布施東壱捕手だった。「打撃マシンではあのホップする球までは再現できなかったです。全然違いました。高めも低めもコントロール良く来ました」。速い球を打ち返すことは打撃マシンの球速調整で何とかなるが、藤平のボールは手元で伸びるだけでなく、途中から伸びあがってくるような感覚に襲われるという。それだけ力のあるボールだった。

 4番の植木は小中学生の時から全国大会に出場する強打者。今大会でもクリーンアップを任され、打撃に自信を持っていた。それでも最初の対戦で空振り三振をして「こんなにも当たらないか、と思いました。こういう経験は初めてでした」と力の差を感じた。2打席目も三振に倒れ、同じスイングでは歯が立たないと感じた。「3打席目からコンパクトに振ることを心掛けて、バットをいつもより指1本分、短く持ちました」と強いスイングで挑んだ。バットに当てることだけ考え、レフト前へヒットを放った。手元で伸びてくる球に苦戦し、自分がやってきた今まで通りのバッティングはできなかった。

 藤平は球が速いだけではない。東北打線は、最後のひと伸びがどんな投手よりもあった、という。さらに150キロのスピードならば、なかなか対応するのは難しいだろう。機械ではどうにもならない究極の武器が藤平にはある。次戦は強豪の大阪・履正社。強力打線にホップする剛球がどこまで通用するか、注目だ。

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

最終更新:8月11日(木)9時29分

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