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山の魅力を知る好機、沖縄でも 新祝日「山の日」

沖縄タイムス 8/11(木) 11:05配信

 ことしから新しい祝日として、8月11日が「山の日」に制定された。山や自然に親しむことが目的で、沖縄県内の登山愛好家らは「自然いっぱいの山の魅力を知って」と歓迎する。県内で登山やボルダリングのファンが増えているといい、同日には恩納村で関連イベントも開かれる。

 県内では初心者にもお薦めの嘉津宇岳(名護市、452メートル)や、本島最高峰503メートルの与那覇岳(国頭村)など、離島を含めて約40の山で登山などが楽しめる。低い山でも険しく、イタジイやヘゴなど亜熱帯の植物が広がり、自然を肌で感じられる魅力があるという。

 ベストシーズンは1~3月。暑く湿度も高い7~9月は熱中症の危険や蚊などの虫も多く、県山岳連盟の田場典淳理事長らは「山の日は沖縄では山日和ではない」と口をそろえる。それでも「山に親しむきっかけになる」と歓迎した。

 登山愛好家でつくる「花いかだ」のメンバー約10人は11日、名護岳に登る。照屋美代子さん(65)は「山を守ると、きれいな海を守ることにもなる。東村高江も含め、山を大切にする仲間が増えてほしい」と話した。来年以降は清掃登山などを企画するという。

 浦添市牧港のアウトドアショップ「NEOS」は7月、クライミングコーナーを拡充した。大城健店長によると10代や女性の客も増えており、同店が企画する石川岳などの山登りツアーは定員約20人が毎回埋まるという。「日帰りができることも魅力の一つ。リピーターも多い」と語った。

 恩納村の県民の森では祝日制定を記念した「山の日まつり」が11日午後1時から開かれる。実行委で県森林協会の具志堅允一常務理事は「山や森からきれいな水や食材など、多くの恩恵を受けてきた。やんばるの森は国立公園に指定される。山の日を山や森に感謝する契機にしてほしい」と話した。

■飲み水は必需 帰り道に注意 県山岳連の雨宮会長

 沖縄の山は危険な生き物は比較的少なく、低体温症になる心配も低いため、初心者でも楽しめる。嘉津宇岳や名護岳は初心者にもお薦めだ。山登りは自分の責任で登って下りることが原則。最低限の装備と、熱中症対策のたくさんの飲料水は必要だ。

 沖縄の山は獣道や戦後に廃道になった道が多く、特に帰り道で迷う危険性が高い。登るときに分岐点で、振り返って景色をしっかり覚える。迷ったときは無理に進まず、覚えているコースまで戻ることが大切だ。行き先やコースを、管理者や家族に伝えることも重要だ。(談)

■やんばるの森、豊かさ体感 家族連れら探索

 11日の「山の日」を前に、国頭村安波の村環境教育センター「やんばる学びの森」では10日、家族連れらがガイドの案内で山中を探索した。ヤンバルクイナの鳴き声が響き、目の前に現れた国指定天然記念物のアカヒゲに見入っていた。

 うるま市から家族で来た我如古梁馬(りょうま)君(南原小1年)は「生き物が多くいて楽しい。池にはイモリがたくさんいた」とはしゃいでいた。

 大阪から家族旅行で訪れた橋岡拓郎君(10)は「シダなどが生えていて本土の森とは全然違う。キノボリトカゲを捕まえたのが楽しかった」と亜熱帯の自然を満喫した。

 祝日制定と国立公園指定を機に、やんばる学びの森の山川雄二センター長は「やんばるの豊かな自然を体感し、多くの人に山の良さを知ってほしい」と話す。

最終更新:10/25(火) 11:20

沖縄タイムス