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「NYでは警察官もタトゥー」 アメリカ人の彫り師が見た日本の「法規制」

withnews 8月15日(月)7時0分配信

 医師でなければ刺青を入れてはいけないとする医師法のタトゥー規制は、海外からどのように受け止められているのでしょうか。米国人の彫り師、ティム・カーンさん(44)に見解を聞きました。

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警察官・医師・弁護士…様々な人に入れてきた

 ――どういう経緯で彫り師になったのでしょうか。
 
 子どもの頃から絵を描くのが好きでした。芸術系の学校に通っていた頃、友人に「彫り師になったら」と勧められたのがきっかけでタトゥーに興味を持ったんです。

 紙に絵を描くのと違って皮膚は動くし、血も出るし、痛みも感じる。最初のうちはタトゥーを彫ることへの緊張もあったけれど、3、4年もすると皮膚というキャンバスに作品を施すことに、やりがいや楽しみを感じるようになりました。

 彫り師になって20年。ミズーリ州やニューヨークで働き、いまはオレゴン州のポートランドで主に仕事をしています。バンドマンや、警察官、消防署員、医師や弁護士ら様々な人にタトゥーを入れてきました。

エグゼクティブは仕事の時に隠すことも

 ――米国では警察官もタトゥーを入れるのですか。

 ニューヨークには十数年いましたが、たくさんの警察官に彫りましたよ。「半袖から見えるところには入れてはいけない」など、州や街によってルールは違いますが。

 米国では、タトゥーがファッションとして広く受け入れられています。あらゆる階層の人が入れていますし、見せて歩いている人もいっぱいいます。ただ、エグゼクティブの人などは仕事の時は隠すことが多いです。やはり、タトゥーが好きでない人や恐怖を感じる人もいますから。

 ――タトゥーに対する差別意識があるのでしょうか?

 差別や偏見というよりは、ビジネス上の理由が大きいと思います。仕事の場で腕のタトゥーが見えたりすると、「このタトゥーどうしたの?」と本題と関係ない方に興味を奪われてしまうので。

毎年講習、更新料を納める

 ――日本では法律上、タトゥーを彫るためには医師免許を取る必要があるとされています。米国ではどのような制度が取られているのでしょうか。

 米国でもほかの国でも、タトゥーを入れるのに医師のライセンスが求められることはありません。彫り師に対して医師の学校に通うことを義務づけるような制度は、おかしいのではないでしょうか。

 米国の場合は州や地域ごとに規則が定められており、私はミズーリ、ニューヨーク、オレゴンで三つの免許を持っています。オレゴン州は非常に規制が厳しくて、タトゥーの学校に行ってライセンスを取得する必要があります。

 そのためには、いくつも作品を仕上げたり、感染症を防ぐための勉強をしたりしないといけません。取得後も更新のために毎年講習を受け、更新料を納める必要があります。しかし、しっかりした規制があること自体は良いことだと考えています。

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最終更新:8月15日(月)7時0分

withnews