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ジブリが放映されると株価が動く? ジブリ世代の株式投資術

ZUU online 8月12日(金)6時10分配信

「ジブリ世代」というものをご存じでしょうか。子どもの頃、1988年上映の「となりのトトロ」を見て、猫バスで遊び、その後ジブリのアニメ作品を見ながら成長した世代で、2016年時点で30代前半から半ばくらいでしょうか。この世代は、大人になってからも宮崎駿監督作品を見て、子供にトトロのDVDを見せたり、トトロのぬいぐるみを与えたり、家族でジブリ博物館に行ったりと“ジブリを支える”世代ともいえます。

そういったジブリ世代は30代になり、将来のために株式投資を始める年代になっています。

■ジブリの呪い、ジブリの法則

2012~2013年頃にツイッターなどでさんざんつぶやかれていたのが「ジブリの呪い」「ジブリの法則」といった株式投資のアノマリー(理論や法則からみると異常な、説明のできない事象のこと)でした。『金曜ロードSHOW!』でジブリのアニメが放映されると、その夜の為替市場は荒れて、翌営業日の日本株も大荒れになるというものです。

過去、ジブリ映画は数年に1本のペースで新作が公開されていました。スタジオジブリ作品の放映権は日本テレビが独占的に有しているので、最新作の公開時期が近づくとマーケティングを兼ねて過去の作品を放送するのが恒例となっています。放映枠は、日テレの昔からの映画放映枠である『金曜ロードSHOW!(2012年3月までは金曜ロードショー)』で放映されることがほとんどです。

2012~2013年頃にはジブリ世代はすっかり大人になっており、自分たちの子供にジブリアニメを見せるようになっています。「ハウルの動く城」「崖の上のポニョ」「借りぐらしのアリエッティ」「風立ちぬ」といった大ヒットアニメが登場したのもこの頃でした。

以下にジブリ作品の放映日と翌営業日の株価の関係を表にまとめましたが、これを見ると特に2013年は株価が200円以上動くことがあったようです。そのため、この呪いがつぶやかれるようになったと思われます。

■ジブリの法則を検証

ここでは、ジブリの法則を検証してみましょう。2011年7月以降の放映日と翌営業日の日経平均株価の前日比を長期でピックアップしたものが下表です(小数点以下四捨五入)。

全35例中、放映日の翌営業日にプラスとなったのが19回、マイナスとなったのが16回です。前日比の平均は約マイナス13円で、アノマリーというほどの実績はありません。確かに2013年ごろは200円以上下がることも複数回ありましたが、2014年には100円以上下がることはなく、「ジブリの法則」をつぶやく人もあまりいなくなりました。

ただ、2015年8月21日の「おもひでぽろぽろ」放映翌営業日の895円安以降は再び、放映翌営業日の市場のボラティリティが明らかに上昇しているように見えます。ジブリの呪いが復活してきているかもしれません。

■ジブリの法則の謎とき

ジブリの法則は、実は『金曜ロードSHOW!』で放映されているというところに鍵があるようです。放映時間は午後9時から11時頃までです。

金曜日といえば、米国の雇用統計が発表されるのは、日本時間で毎月第1金曜日の午後10時半(サマータイムなら同9時半)です。金融市場を見ている人なら誰もが注目していることもあり、ご存じの人も多いのではないでしょうか。

ということは、確率から言えば約4回に1回は、ジブリ作品の放映中に雇用統計が発表され、為替や米国株が大きく動いているのです。

ジブリ作品を見ながらトレードしていた為替関係者や米国株関係者が、ジブリ作品を見ているといつも相場が大きく動くと思い、「ジブリの呪い」とつぶやき出したのがアノマリーのはじまりではないでしょうか。金曜日に為替や米国株が大きく動けば当然、翌営業日の日本市場のボラティリティも上がります。

そう考えるとジブリの映画と金融市場はまったく関係がないとも言えますが、“験(げん)を担ぐ”トレーダーやファンドマネージャーが多いのがこの世界です。アノマリーを気にしながらトレードするのも、一つの楽しみではあります。次回のジブリ作品の放映予定が怖くもあり、楽しみでもあります。(提供:お金のキャンパス)

最終更新:8月12日(金)6時10分

ZUU online