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【体操】偉業の内村航平 オールラウンダー卒業!新技「ウチムラ」で東京五輪へ

東スポWeb 8月12日(金)6時0分配信

【ブラジル・リオデジャネイロ10日(日本時間11日)発】衝撃の大逆転劇でキングが再び笑った。体操男子個人総合の決勝が行われ、内村航平(27=コナミスポーツ)が合計92・365点で五輪2連覇を達成。男子団体に続いて今大会2個目の金メダルを獲得した。最後まで圧巻の演技を披露した内村は最終種目でオレグ・ベルニャエフ(22=ウクライナ)を逆転。偉業を達成した内村は、2020年東京五輪団体で体操界に「名前」を残すことを次の目標に掲げているという。

 これがキングの底力なのか。最終種目の鉄棒の前まで“定位置”の1位にいないまさかの展開。2位に甘んじ、トップから0・901点差をつけられ、逆転はかなり難しいと思われた。

 王者交代か――。そんなムードの中、まずは内村の演技が始まった。一つのミスも許されないキングは、カッシーナ、コールマンと難度の高い離れ技を次々に成功。最後の着地まで決めて、会心のドヤ顔を見せた。

 そして迎えたベルニャエフの最終演技。14・899点以上を取られれば、内村の連覇は消滅する。ベルニャエフも離れ技をしっかり決めて着地もほぼ成功。若き挑戦者が逃げ切ったと思われた。

 だが、電光掲示板に映し出された得点は14・800点。場内にはブーイングも飛び交ったが、連覇を達成したキングは日の丸を身にまとって喜びを爆発させた。

 1種目目の床運動から内村の試合運びに狂いはなかった。苦手な部類のあん馬とつり輪もノーミスでクリアした。この時点で1位のベルニャエフから0・467点差の3位。4種目目の跳馬で大技「リ・シャオペン」を完璧に成功させて、2位に浮上した。

 一騎打ちムードとなった2人の戦いは激しさを増し、平行棒でベルニャエフが驚がくの16・100点をマーク。内村は着地が少し乱れて15・600点となり、差は広がった。だが、これも劇的な幕切れを迎える“内村劇場”の序章だった。

 五輪で通算3個目の金メダルを獲得した希代のオールラウンダーは次なる目標も定めている。それは、東京五輪での団体2連覇はもちろんのこと、体操の歴史に絶対王者の名を刻むことにあるという。

「内村はいつかは自分の新技を作りたいという願望がありました」(体操関係者)

 過去にチャンスはあった。跳馬の「シライ/キムヒフン」こと伸身ユルチェンコ3回ひねりは、もともと内村が成功させていたもの。ところが、先に国際大会で成功させたのが白井健三(19=日体大)だったため「シライ」と名づけられた経緯がある。当時、内村は「クッソ~」と悔しい思いをしたという。
「内村はオールラウンダー。仮に高難度の新技を開発したとしても、身体的な負担が大きく演技構成に入れるわけにはいかない。悔しくても封印してきたんですよ」(同)

 だが、もうオールラウンダーからは解放される。以前から「自分が東京五輪まで個人総合のトップだったら日本の体操界は終わる」と話しており、今後は種目別に切り替えることを視野に入れている。新技「ウチムラ」の開発に着手できる環境が整うわけだ。

 関係者によると、種目としては鉄棒か床運動が濃厚。練習でしかやったことがない技がいくつかあるという話もある。これについて内村は本紙の取材にこう答えた。

「年齢的にも体力的にもしんどくなってくるので、そういう(種目別の選手としての)戦い方になるかもしれません。いずれ、自分の名前のついた技ができればいいのですが、そこまでこだわりはありません」

 何とも控えめだが、どういう形であれ、内村の新技「ウチムラ」はファンならずとも見てみたいもの。それは体操を広く普及させたいという内村の願いにも通じるはずだ。

最終更新:8月12日(金)7時14分

東スポWeb