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[時論]THAADめぐる韓国野党6議員の訪中 得たものは何か

聯合ニュース 8/12(金) 11:01配信

【ソウル聯合ニュース】米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の韓国配備に反対する中国との意見交換を目的に訪中した韓国最大野党「共に民主党」の新人国会議員6人が10日、帰国した。その足取りは重かったに違いない。朴槿恵(パク・クネ)大統領が公の席で非難するなど政界の内外で多くの波紋を呼んだ3日間の訪中だったが、その日程や会合相手を見ると、大騒ぎした割に成果はあまりなかったいわれても仕方がない。

 9日には北京のシンクタンクを訪れ、中国の外交、安全保障専門家らとTHAADをめぐり2時間余り討論を交わしたが、終了後に出した発表文はわずか3行で、THAADには触れていなかった。訪中初日の8日には北京大教授らと座談会を行ったものの、駐中韓国大使との会談が白紙化され、韓国企業関係者との昼食懇談会も中止になるなど、日程に狂いが生じた。

 6人の議員は、THAADの配備決定を受けて極度に冷え込んだ韓中関係を少しでも立て直そうとして北京に向かったのだろう。だが、そうした思いが韓国国内のTHAAD反対世論をあおろうとする中国に利用されかねないという指摘は、訪中前からあった。

 議員らが中国で個人的な意見表明を控え、慎重な姿勢を取り続けたことは幸いだ。だが、これをめぐり中国メディアは「内容のない3行の声明を出しただけで、そそくさと立ち去った」(人民日報系の環球時報)などと不満を示した。

 議員らは北京の韓国人記者との懇談会で「訪中の意味が針小棒大に伝えられた」と残念がったという。しかし、彼らの行動がいらぬ政治的論争と分裂を招いたという指摘は免れないだろう。だからといって、訪中を「売国行為」とまで批判するのはやりすぎだ。

 今回の訪中をめぐる論争が、外交や安保問題への超党的な対処の必要性を痛感する契機になるよう願う。安保問題だからと政府の政策に無条件で従わねばならないというルールはなく、批判し、反対することもあるだろう。だが、国の外では超党的な外交ルールを守ってこそ、国益の損失を最小限に抑えられる。

 THAAD配備に反対する中国の圧力は執拗だ。北朝鮮が今月3日に中距離弾道ミサイル「ノドン」とみられるミサイルを発射したことに対する国連安全保障理事会の非難声明発表が見送られたが、これは中国がTHAAD配備に反対する文言を盛り込もうとしたためだという。配備を口実に、中国が国際社会の北朝鮮制裁から離脱しようとする動きが具体化している。

 THAADをめぐる韓中のあつれきは、一朝一夕に解消されるものではない。韓国政府はさまざまな外交ルートを使って突破口を模索する必要がある。

最終更新:8/12(金) 11:25

聯合ニュース