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「AI」「機械学習」「ディープラーニング」は、それぞれ何が違うのか

@IT 8月12日(金)12時57分配信

 米NVIDIAは2016年7月29日、公式ブログでテクノロジージャーナリストであるマイケル・コープランド氏による記事「人工知能、機械学習、ディープラーニングの違いとは」を公開した。今後のビジネスを変革すると期待される技術の1つとして、「AI(Artificial Intelligence:人工知能」が注目を集めている。このAIは、「機械学習」や「ディープラーニング」とともに取り上げられることが多いことから、この3つの単語の意味や背景を整理して解説したものだ。以下、ブログ記事を抄訳する。

【その他の画像】ネコの個体識別から、強い「囲碁」プログラム、がんの兆候発見などまで活用例が出てきている

 記事では、AI、機械学習、ディープラーニングの関係は、「同心円的に表す」と理解が進むと説明している。最初に生まれた、最も包括的な概念がAI。次に発展した機械学習がその中に含まれ、最後に登場したディープラーニングがさらにその中に含まれる構図だ。

 AIの概念や単語は、1956年に米ダートマス大学で開催された会議で確立したとされる。以後、盛り上がりそうで冷めていく波が繰り返されてきたが、ここ数年、特に2015年以降より急速な盛り上がりを示している。その大きな理由は、速く、比較的安価に、強力な並列処理を実現できる「GPU(Graphics Processing Unit)コンピューティング」の普及、そして「実質的に無限にスケールアウトできるストレージ技術」と、「イメージ、テキスト、トランザクション、マッピングデータなど、あらゆる種類の膨大なデータと、そうしたビッグデータシステム全体の動き)」の3つの重要な要素が同時期に登場したことが関係しているという。

 AI研究の草創期には、人間のあらゆる感覚と、あらゆる判断力を備え、人間と同じように考えられる「汎用AI(General AI)」の構想が描かれた。しかし、現時点で実現されているのは、特定のタスクを人間と同等、またはそれ以上の処理速度でこなす「特化型AI(Narrow AI)」となる。特化型AIの例としては、米ピンタレストの画像分類や、米フェイスブックなどでの顔認識といったものが挙げられる。これらの技術は、人間の知能の「特定の側面」を再現するもので、それを可能にするために利用されているのが機械学習である。

 機械学習とは、世の中の特定の事象についてデータを解析し、その結果から傾向を学習して、判断や予測を行うためのアルゴリズムを使う手法。「大量のデータとタスクを実行する方法を学習する能力」を提供するアルゴリズムによって、マシンの訓練が行われる。こうしたアルゴリズムによるアプローチに、決定木学習、帰納論理プログラミング、クラスタリング、強化学習、ベイジアンネットワークなどの手法が取り入れられたが、いずれも初期段階では、汎用AIはもとより、特化型AIにも思うように適用できなかったという。

 そこで、この他の手法として登場したのがディープラーニング技術となる。ディープラーニングを支えるアルゴリズムのアプローチが「ニューラルネットワーク」だ。ニューラルネットワークは、人間の脳の生物学的な仕組み(ニューロン間のあらゆる相互接続)から着想を得たものだ。

 ニューラルネットワークは極めて高い計算処理性能を要することが課題だったが、前述したGPUコンピューティングなどの技術的進歩を背景に、2016年現在、それが可能になった。ニューラルネットワークを大幅に拡大し、「層」と「ニューロン」を増やして、膨大なデータをシステムで処理する。こうした多層構造のニューラルネットワーク(ディープニューラルネットワーク)を使った機械学習がディープラーニングと呼ばれるようになった。

 2016年現在、ディープラーニングを利用して訓練されたシステムによる画像認識性能が、人間の能力を超えるまでになっている。それは、猫の識別から、MRIスキャン画像を用いたがんの兆候の発見まで、多岐にわたる。また、米グーグルのAI部門 DeepMindが開発した「AlphaGo(アルファ碁)」は、囲碁の「強さ」を高めるべく、自身との対局を何度も繰り返して自己的に訓練し、そのニューラルネットワークを最適化した。

 ディープラーニングによって、機械学習、そしてAI分野の実用的応用が数多く実現するだろう。ディープラーニングが今後もAIに明るい未来をもたらすと記事では予想している。

最終更新:8月12日(金)12時57分

@IT