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猪苗代の「中ノ沢こけし」新たな系統へ コンクール審査対象に

福島民報 8/12(金) 11:47配信

 福島県猪苗代町中ノ沢温泉発祥の中ノ沢こけしを全国で12系統目の伝統こけしとして、新たに認めようという機運が高まっている。9月から、宮城県や山形県で開かれる全国コンクールで新たな系統として審査対象となる見通しだ。
 工人らは系統独立を目指し、20日から町図書歴史情報館で展示会を催す。28日にこけし研究の第一線で活躍する高橋五郎氏(72)=仙台市=を迎えた講演会を開き、独自性を広く発信する。
 中ノ沢こけしは「たこ坊主」の異名で親しまれ、ぎょろりとした目や大きな鼻、胴のボタン模様が特徴。大正末から中ノ沢温泉で活躍した木地師・岩本善吉を創始者に、長男の芳蔵が名を高めた。
 高橋氏によると、中ノ沢こけしは県内唯一の系統である福島市土湯温泉の土湯こけしの亜流とされてきたが、系統独立が適当との声が年々高まってきたという。高橋氏は「中ノ沢こけしは遠刈田系(宮城県)の木地技術を基にしており、特徴も土湯系との違いは明らか。工人の広がりもあり、新たな系統として十分な資格がある」と評価する。
 中ノ沢こけしの9工人でつくる「中ノ沢たこ坊主会」会長の柿崎文雄さん(69)=猪苗代町=は「系統独立は地域の悲願。新たな系統に認められるよう全国コンクールに出品したい」と意欲を見せる。
 伝統こけしを収蔵する福島市荒井の「原郷のこけし群 西田記念館」開設に尽力し、「ふくしまこけし談話会」幹事を務める渡辺格さん(78)=福島市=は「工人が自信を持ち、地域の魅力を見つめ直すきっかけとなる」と意義を語った。
 展示会は20日から29日まで。会期中はこけしの絵付け体験などを予定している。

福島民報社

最終更新:8/12(金) 11:53

福島民報