ここから本文です

銚電社長が運転士免許 人手不足「仕事を分け合いたい」 本来は税理士、異例の取得

千葉日報オンライン 8/12(金) 8:51配信

 銚子電鉄(千葉県銚子市)の竹本勝紀社長(54)が、電車の運転免許(動力車操縦者・甲種電気車運転免許)を取得した。「不足する運転士の業務を緩和させたい」と取得したが、鉄道会社の社長が在任中、電車の運転免許を取得することは異例。「自ら運転することで線路の状況を直接確認するとともに、お客さまとの接点を持ちたい」と意気込んでいる。

 本来の仕事は約500社を受け持つ税理士。同社は東日本大震災(2011年)の東電福島第1原発事故に伴う風評被害により鉄道収入が大幅に減少。危機的状況を打開しようと12年12月、社長に就任した。

 免許取得について竹本社長は「もともと鉄道が好き。いわゆる“男子の夢”でもある」とする一方「小さな会社なので、仕事を分け合いたい」と思いを語る。

 鉄道業務に携わる社員は20人ほどいるが、専属の運転士は3人。厳しい経営状況の中、イベント列車の増便もあり運転士は慢性的に不足しているという。

 社長業などの傍ら試験勉強し、昨年3月には筆記試験に合格。多岐にわたる内容を正確にこなす必要がある技能試験は、3回目の挑戦で合格した。免許は6月13日に取得。実際に営業運転も行うといい「お客さまと接点を持つことで絆を深めたい。気付くこと、得るものもある」と話していた。

 竹本社長は就任以降、ぬれ煎餅の新工場立ち上げ、イベント列車の増便など経営改善に取り組んできた。15年度決算では税引前利益が3期ぶりの黒字、減価償却前の営業利益は5期ぶりの黒字になった。一方で、「17年度は2編成の車検に3千万円かかり、油断できない」と気を引き締める。

 行政からの補助金だけでなく、県立銚子商業高校の生徒がクラウドファンディングで脱線車両の修繕費用を集めるなど、存続に向けさまざまな協力を受けてきた。竹本社長は「『銚子電鉄があって良かった。ありがとう』と言ってもらえるような会社にしていきたい」と思いを新たにした。

最終更新:8/12(金) 12:36

千葉日報オンライン