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《日航機事故31年》空の安全祈る光 地元JC、若者に慰霊登山呼び掛け

上毛新聞 8月12日(金)6時0分配信

 520人が犠牲になった日航ジャンボ機墜落事故から12日で31年を迎えるのを前に、墜落現場「御巣鷹の尾根」の麓を流れる上野村の神流川で11日夕、遺族らが慰霊の灯籠流しを行った。水面に淡い光を映しながら流れゆく300個の灯籠に手を合わせ、犠牲者の冥福を祈った。

 全員で黙とうした後、事故で娘の泉谷淳子さん=当時(20)=を亡くした明造さん(82)=大阪府=が「30年を迎えたと思っていたら、もう31年。体力は落ちているが、慰霊登山を一年の目的にして頑張ってきた。今年も無事に登れることに心から感謝したい」と遺族を代表して述べた。

 神田強平村長は「30年の節目だった昨年と比べ、参列者数があまり減っていない。他の事故などで大切な家族を失った人も集った。村として御巣鷹の尾根と慰霊の園を守り、末永く慰霊を続けたい」とあいさつした。

 遺族らでつくる「8・12連絡会」のほか、東日本大震災など県外の事故や災害の遺族も参列。アコーディオンやオカリナの演奏が響く中、シャボン玉を飛ばして犠牲者に思いをはせた。12日は早朝から遺族らが慰霊登山し、夕方に麓の慰霊の園で追悼慰霊式が営まれる。

「命の大切さ感じた」 学生らが登山や清掃

 日航機墜落事故の風化が懸念される中、記憶を受け継ごうと行動する若い世代も増えている。事故現場の「御巣鷹の尾根」では11日、地元の小学生から大学生まで約40人の若者が登山したほか、航空業界を目指す東洋大生8人は登山道の手すりを清掃して、遺族らの慰霊登山に備えた。

 若者の登山は、事故後に生まれた子どもたちに痛ましい事故の教訓を伝えようと藤岡青年会議所(小菅志郎理事長)が初めて企画した。参加したのは藤岡市内の小中学生や群馬医療福祉大の学生。「足元に気を付けて」と声を掛け合い、頂上付近の「昇魂之碑」で手を合わせた。藤岡西中1年の石井龍聖さん(12)は「命の大切さを感じた」と話した。

 東洋大生は登山道のベンチや手すりを布で丁寧に磨いた。3年の坂本奈菜さん(21)は「させていただいている、という気持ち」。灯籠流しを手伝った3年の梅田和歌子さん(21)は「遺族の気持ちがこもった灯籠は持つと重い」と話した。12日は慰霊登山する遺族らに冷茶を配る。

 一方この日、元農大二高野球部員の竹下政宏さんの父で事故犠牲者の元章さん=当時(48)=を慰霊するため、政宏さんの先輩の大沢栄一郎さん(49)=前橋市=、川田渡さん(49)=さいたま市=、竹内久生さん(48)=伊勢崎市=も尾根を訪れた。

最終更新:8月12日(金)6時0分

上毛新聞