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金藤選手「金」出身地は大歓喜 広島・庄原でリオ五輪競泳女子観戦

山陽新聞デジタル 8月12日(金)21時30分配信

 理絵ちゃん、やった金メダルだ! リオデジャネイロ五輪競泳女子200メートル平泳ぎで決勝に臨んだ金藤(かねとう)理絵選手(27)=Jaked所属=のパブリックビューイング(PV)が12日、出身地の広島県庄原市であった。市内初の五輪金メダリスト誕生。会場は割れんばかりの大歓声となった。

 母校の山内小学校。家族や親戚、近隣住民ら約300人が集まった。

 世界最高の舞台に、卒業生が立った。「最後まで諦めず努力を続けてきた強い姿を、子どもたちに見せてほしい」。和田真理子校長(58)は力を込めた。

 泣いても笑っても一発勝負。金藤選手がスタートした。うちわ、バルーンを打ち鳴らしての大声援。「準決勝とは違い、最高の泳ぎ。必ず勝ってくれる」。親戚の前岡訓至さん(68)=同市=は祈るような表情。そんな思いが通じたのか。100メートルすぎに先頭に躍り出た。力強い泳ぎ。トップでゴールした。会場中が歓喜に包まれた。

 庄原市民会館(西本町)でも約400人が見守った。金字塔を打ち立てた金藤選手に惜しみない拍手。「ゴールの瞬間は涙で見えなかった。金メダルを取ってくれると信じていた」。庄原中学校時代の同級生・前藤有未さん(27)=同市=は満面の笑顔。

 庄原中時代の校長・友国貴視さん(67)=同市=はねぎらいの言葉を贈った。「当時から活躍していたが、ここまでの選手になるとは。懸命に頑張ったんだと思う。夢を与えてくれた。本当にありがとうと言いたい」

兄姉「笑顔で終わって」願いかなう

 4年前、金藤理絵選手はロンドン五輪出場を逃した。苦しい時期を乗り越えつかんだ金メダル。山内小学校でPV観戦した兄・金藤康宏さん(32)=東広島市、姉・前岡由紀さん(31)=三次市=の目には大粒の涙があった。

 別の道を探したい―。ロンドン五輪後、金藤選手は康宏さんにメールで悩みを打ち明けた。競技続行を望む父とは、電話を拒否するほど険悪に。そんな姿を康宏さんは見守ってきた。「励まさなくても、話を聞くことが大事と思った」

 転機になったのは2013年の由紀さんの結婚式だ。サプライズで金藤選手のためにビデオメッセージを用意した。映し出されたのは、世界水泳での力強い泳ぎ、コーチ、友人からの励ましの言葉…。家族、仲間の支えが金藤選手の競技熱を再び呼び覚ました。

 「妹が望む結果で、笑顔で終わってほしい」。試合が始まると、兄姉は祈るような表情でスクリーンを見詰めた。

 そして訪れた歓喜の瞬間。由紀さんは「いろいろな思いがあったと思う。今まで妹の試合で涙を流したことはなかったけど、きょうは感極まった。帰ってきたらお疲れさま、おめでとうを言いたい」。兄姉の思いは金藤選手の胸に届いているはずだ。

最終更新:8月12日(金)21時30分

山陽新聞デジタル