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原爆の実情描いた「幻の映画」 川崎で「ひろしま」上映会

カナロコ by 神奈川新聞 8月12日(金)7時3分配信

 原爆を描いた映画「ひろしま」の上映会が11日、川崎市川崎区の市労連会館で開かれた。同映画上映実行委員会の主催。1953年に完成しながらも上映禁止となり「幻の映画」とも言われた歴史的名画に、100人ほどが見入った。

 映画は広島市民約9万人がエキストラとして撮影に参加。広島電鉄が破壊された車両を再現するために2台を提供するなど、市全体が総力を挙げて惨状の記録を試みた。55年のベルリン国際映画祭で長編映画賞を受賞し「原爆映画としては最も事実に肉薄した映画」などと評価を受けたが、当時残っていた連合国軍占領下の検閲の影響などで上映が禁止された。

 映画は原爆の被害に遭った広島の子どもが書いた文集「原爆の子」を脚色して作られた。上映会では、文集に手記が採用された寺尾安子さんがあいさつに立った。

 寺尾さんは父親が被爆して片目を失明したことや、自身が平和活動にいそしむに至った経緯などに触れ、「こうした実像を描いた映画や無垢(むく)なる悲しみを記した手記、そして被爆者の生の声を聞くと、平和を守るためにもっとやらなければならないと思える」と話した。

最終更新:8月12日(金)7時3分

カナロコ by 神奈川新聞