ここから本文です

元千代の富士と書合作 小松の北村さん、「生前の約束果たしたい」

北國新聞社 8/12(金) 2:38配信

 7月31日に61歳で急死した大相撲の元横綱千代の富士(先代九重親方)=本名秋元貢=と交流があった小松市高堂町の九谷焼作家北村隆さん(69)は、生前に先代親方がしたためた書にだるまの絵を描き、合作を仕上げた。書の作品づくりは、30年来の友人である親方との約束で、北村さんは不屈の精神で戦った大横綱を思いながら一筆一筆に力を込めた。

 昨年11月、親方が石川県を訪れ、北村さん方に立ち寄った際、北村さんの提案で、2人で書の作品を作ることになった。親方は縦85センチ、横60センチの和紙2枚に「道」という一文字と「九重貢 千代の富士」という名前を記した。親方は「完成したら1枚欲しい。地元の記念館に飾りたい」と話し、北村さんも完成品を持って行くと約束した。

 その後、北村さんは仕事の都合で作品を完成させることができないまま、先月に親方が膵臓(すいぞう)がんで亡くなった。5月に東京で一緒に食事をしたのが最後だった。北村さんは「確かに病気で弱っている感じだったが、まさかこんなに早く亡くなるとは思わなかった」と声を落とす。

 北村さんは親方との約束を果たすため、親方の書の隣に、だるまの絵を力強く描いた。現役時代の不屈の精神にあやかり、デザインを決めたという。作品は額装し、親方の出身地の北海道福島町にある「横綱千代の山・千代の富士記念館」に近く寄贈する。記念館には、千代の富士が現役時代に使用していたまわしや国民栄誉賞の賞状など記念品が展示されている。

 北村さんは、親方が現役力士だったころから交流があり、九重部屋でちゃんこを食べたり、石川県で食事を囲んだりしていた。

 北村さんは「親方に完成した品を見せてあげられなかったのは残念だが、記念館で多くの人に親方の書を見てもらいたい」と話した。

北國新聞社

最終更新:8/12(金) 2:38

北國新聞社