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買収王・日電産永守会長、夢は「会社を大きく」-M&Aに1兆円用意

Bloomberg 8月12日(金)0時5分配信

「これまでのベスト5に入るいい案件だ」-。日本電産の永守重信会長兼社長(71)は上機嫌だった。同社として過去最大の企業合併・買収(M&A)案件を2日に発表。創業者でもある永守会長は会見後、記者たちに自身が主導したM&A案件をこう評価してみせた。

日電産が買収するのは米エマソン・エレクトリックのモーター・ドライブと発電機事業。買収額は12億ドル(約1200億円)に上る。業績下降に伴い価格も安くなり「絶妙なタイミング」での買い物だったという。だが、永守会長の頭の中には、さらなるM&A戦略がある。

エマソンの買収発表に先立つ7月、永守会長はブルームバーグの取材にM&Aは現在、買い手市場であり「今年は大きな会社を買っていこうとしている。資金的には格付けを大きく落とさない範囲で、1兆円程度を用意している」と述べた。買収先候補は6社あり、全て実現すれば必要資金はその額に上る計算という。

永守会長は「買収王」の異名を取る。日電産はM&Aを活用して成長してきた。2010年3月期に5900億円だった連結売上高を6年間で1兆1800億円に倍増させた。同社ウェブサイトによると、今回の案件以前に内外48件の企業・事業を買収。現在の中期経営計画でもM&Aによる売上高の底上げを織り込んでいる。

いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、永守会長を「M&Aは日本で一番うまい」と高評価。「安く買う、本業から遠い分野には手を出さない、といった信念でぶれない。投資家としては安心感がある」と述べた。それだけに同社の一番のリスクは「後継者問題。永守プレミアム剥落の可能性だ」と指摘する。

日電産の株価は08年秋のリーマンショック以降、上昇傾向を維持。同ショック後に一時1600円台まで下落したが、現在はその6倍近くの9000円台で推移している。

AIやIoTにマイナー出資も

永守会長はインタビューで、今後の買収先は車載事業や発電機など、モーターと関連性の深い成長分野が中心になるとした上で「少し早いが、広く車載関連という意味ではAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)の分野も売ってもらえるなら買っていく。この分野はマイナー出資も選択肢だ」と述べた。

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最終更新:8月12日(金)12時55分

Bloomberg

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