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日銀がGDP統計に疑問符、「14年度はプラス成長」-内閣府は反論

Bloomberg 8月12日(金)10時49分配信

2014年度の国内総生産(GDP)はマイナス成長だったのか、プラス成長だったのか-。日本銀行が14年度の実質経済成長率がプラスだったとするリポートを公表し、GDP統計の在り方に疑問符を投げ掛けた。これに対し内閣府が反論するなど、議論が広がりをみせている。

このリポートは「税務データを用いた分配側GDPの試算」と題し、日銀調査統計局の藤原裕行企画役らが連名で7月20日にウェブサイトで公表した。それによると、14年度GDPは内閣府の公表額より29.5兆円多い519兆円となり、実質成長率もマイナスではなく2.4%のプラス成長になったという。

経済学ではGDPは支出、生産、分配(所得)のいずれの面からみても一致する「三面等価の原則」がある。リポートによると、内閣府のGDP統計は支出中心の体系となっているのに対し、今回の試算では法人税や申告所得、個人住民税などのデータを基に分配に焦点を当ててGDPを推計した。両者を比べると、14年度成長率のかい離が目立った。

リポートでは、かい離の理由の一つとして消費増税に触れ、現行GDPの基礎資料統計に一部企業が「税抜き」で回答した可能性などを指摘。統計調査が「十分なカバレッジを持っていない」ことも挙げている。国税庁の会社標本調査に基づく税務データの対象企業数は262万社なのに対し、現行GDPの基礎となっている総務省の経済センサスは175万社にとどまる。

日銀の問題提起

「税収が予想よりずっと大きいのに、GDPの推計が予想よりずっと小さいことはどういうことなのか」-。黒田東彦日銀総裁は、リポート発表から間もない7月26日の経済財政諮問会議で、名目GDPと税収の見込みと実績を示した資料を手に「少し違和感がある」と指摘、経済統計の整備・改善の検討を求めた。

同じ日に行われた統計の改善を検討する総務省の委員会では、日銀の関根敏隆調査統計局長がリポートを基にGDPの推計精度の向上には税務データなどの行政記録情報を活用し、分配側GDPを独立推計し、補完することが重要だと問題提起した。

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最終更新:8月12日(金)10時49分

Bloomberg