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壁にぶつかった中国の対外インフラ投資-外交政策の強引さがあだか

Bloomberg 8月12日(金)13時6分配信

対外インフラ投資を進めたい中国にとっては、厳しい2週間となった。合わせて150億ドル(約1兆5300億円)以上に上る英国の原子力発電所建設とオーストラリアの送電会社への出資計画が壁にぶつかった。

英豪両国は中国国有企業が資金提供する投資案件の承認を拒み、長期的な電力関連事業計画が相当進展した段階で待ったをかけた。これが事業の参加者を驚かせている。英国では原発計画の調印式典が急きょ延期された。

法律事務所デッカートの陶景洲マネジングパートナー(北京在勤)は「中国の外交政策がますます強引になる中で、英豪は徐々に中国からの投資に関する審査を強化している。姿勢の変化だ」と指摘する。

英国ではメイ首相就任後、中国広核集団が出資することになっていた約20年ぶりの英原発新設計画を見直している。同社は、180億ポンド(約2兆3800億円)規模となるこの事業の約3分の1の資金を提供することで合意していた。同事業は数年前から計画が進んでいたが、メイ政権は先月、審査にもっと時間を費やしたいと説明した。

英政府の決定から2週間足らずの11日、豪州ではモリソン財務相が豪電力公社オースグリッドの海外企業への売却は国家の安全保障を脅かす恐れがあると表明。事情に詳しい関係者によると、中国国家電網と香港の資産家、李嘉誠氏の企業がオースグリッドの経営権取得をめぐり競い合い、拘束力のある買収提案をすでに提出していた。

南シナ海問題

オーストラリア戦略政策研究所のピーター・ジェニングス所長は「外交政策が一段と強行になればなるほど、豪州などの相手側はその国の投資を受け入れるのが難しくなる。中国にとっては受け入れ難いメッセージだろうが、必要なものだ」と話す。

中国が南シナ海の海域で領有権を主張し、支配力を強めようとしていることに対し、オランダのハーグにある仲裁裁判所が違法だとの判決を先月下した。豪州や米国などは中国に判決を受け入れるよう促している。

原題:China’s $15 Billion Energy Ambitions Crushed Within Two Weeks(抜粋)

Yan Zhang, Brett Foley, Jonathan Browning

最終更新:8月12日(金)13時6分

Bloomberg