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「ゼロから始める!『民泊ビジネス』の教科書」著者インタビュー ~民泊で成功するために大切なこと

ZUU online 8月13日(土)6時10分配信

民泊に対する関心が高まっています。これから民泊を始めようという人が参考にするのは、インターネットのほかには書籍でしょう。Airbnb関連の書籍が多数出ていますが、最近も民泊の入門書『ゼロから始める!「民泊ビジネス」の教科書』(KADOKAWA)が出版されました。著者は、不動産業界での豊富な実績と投資経験を持つ川畑重盛さん(ポイントデバイス社長)です。

川畑さんは1994年からウィークリー・マンスリーマンションの運営、マンスリーマンションのポータルサイト「グッドマンスリー」運営や総合コンサルティングを手がけて不動産業界に関わってきました。現在は個人として民泊ビジネスにも携わり、全国で開催している民泊をテーマにしたセミナーも好評です。

■民泊は個人が活躍できるビジネスモデル

不動産投資の観点から民泊について尋ねると、「かつて、不動産は主に『使う』『使わない』の価値基準で売買されてきました。例えば住居では、別荘地より住宅地の方が高価値。個人が年に数回、訪れるだけの別荘と、1年を通じて住む住居は使う頻度が異なるからです」とのこと。

「その後、収益還元法により『収益性』に基づいた『収益価格』が算出されるようになりました。住居に関しても、収益性が上がるほど高価値になります。1年、365日の中で収益性を変える(上げる)ことができる住居は何か。一般賃貸では代表的なものにウィークリーマンションがあります。同じように、(収益性が見込める投資の対象として)民泊があります」と説明します。

それを「駐車場ビジネス」になぞらえて解説してくれました。「街中の駐車場を考えてみてください。同じ面積の2つの駐車場があるとします。これらが『月極め』で同じ収益だとしても、『時間貸し(コインパーキング)』にすると、前面の道路幅や、人目に触れやすいなどの立地条件により、一方が他方に対して2~3倍の収益を得ることがあります。これは住居の場合も同じであると考えてください」(川畑さん)。

一方で、収益性を高める方策は、立地や諸条件により「当てはまるケースと、当てはまらないケースがあります」と川畑さん。「一つのビジネスモデルが、どこにでも当てはまるということはありません。(投資という観点では)この『見極め』が重要になります。例えば同じ18平方メートルの住居に投資をしても、(諸条件を加味した収益性への)『見極め』ができているか、いないかで、かなりの差が出るでしょう」。

民泊投資においては、どのように考えればよいのでしょうか。「法人が『業』に投資するのか、個人で投資するのか。この違いがあります。現在は世界的なシェアリング・エコノミーの台頭があります。個人の所有物をシェア(共有)して収益を得る。そういう、昔とは異なる大きな流れがあります」といいます。

そのうえで、「民泊は個人が活躍できるビジネスモデル。法人の事業者は『業』としてのホテルや旅館、簡易宿所(民宿、ゲストハウス、ペンション、カプセルホテルなど)。法人の『業』は、厳密には民泊ではないともいえるでしょう」と説明。そして「ホテルや旅館、簡易宿所には『業』としてのビジネスモデルがあります。民泊投資においては、ホテルや旅館でしかできないことを、個人でやろうすると無理が生じます。その『住み分け』を考えて、民泊という行為の本質を捉えた上で、どのように収益を得るための仕組みを作るのか。それを考える必要があるでしょう」といいます。

■民泊は「ホテル・旅館業」と「賃貸業」の中間領域

民泊ビジネスを始める際、「知識を身に付けることが大切」と川畑さんは前置きをします。「民泊は、既存のビジネスモデルと比較した場合に『ホテル・旅館業』と『賃貸業』の中間に位置しています」。

「ホテル・旅館業」は旅館業法に基づきます。行政の管轄は厚生労働省。「賃貸業」は国土交通省の管轄になり、大家が入居者に部屋を貸し出す時に「普通借家契約」または「定期借家契約」を交わします。

民泊は、これらの中間領域に位置するというのが川畑さんの解釈です。このように、民泊は新しい宿泊形態であるために、法整備の枠組み作りが進んでいます。

民泊の新法は今年度中に成立する見通しです。すでに東京都大田区と大阪府では、国家戦略特別区域法に基づき、旅館業法の特例として、6泊7日以上の民泊が認められています。

他方、賃貸業では「定期借家契約」を交わすことで、1週間単位で部屋を貸し出すことができます。しかしながら、現状の民泊は訪日観光客が対象であり、宿泊日数の平均が短く、寝具等の提供が必要になるために、民泊を賃貸業の範ちゅうで扱うのは難しいというのが川畑さんの見解です。

「不動産業界に携わっている人は、その歴史や関連する法律に関して少なからずの知識を有しています。その上で民泊を始めますから分別を持っています。しかし、一般の個人の方が『民泊の仲介サイト』から民泊を始めている場合、基礎的な知識が無いままに、(投資というよりも)目先の儲けを追うように住居を貸し出している場合が多いのではないでしょうか」と川畑さん。不動産業界のルールや、法律についての基礎的な知識不足が、昨今、民泊の問題点となり表出していると言えるのかもしれません。

ビジネスの面からも、両者には明らかな違いがあるそうです。例えば、特区の民泊条例「7日以上」の前提要件も、数千室のウィークリーマンションを運営して億単位の利益を生む経験を持つ川畑さんの見方では「商売として成り立ちます」。民泊ビジネスを始める際は、基礎的な知識を得ること。そして問題点を捉えて、解決策を考えること。中長期的に収益を得る、民泊の仕組みを作るために必要な作業と言えるでしょう。

■民泊投資は「ルールを見極める」ことが大切

これらを踏まえた上で、川畑さんは「民泊投資は、やるべきでしょう」と話します。

「3つだけです。旅館業法の簡易宿所か、(東京都大田区や大阪府のような)特区民泊の認定を受けるか、民泊新法の枠組みで行なうか。簡易宿所は『業』なので、個人がやるべきか、という検討は残りますが、基本的には、この3つです」(川畑さん)。各自治体が定める民泊に関する条例も確認する必要があるでしょう。例えば、東京都大田区の民泊条例では「ホスト居住型」は認定を受けることができません。

「身の丈に合わせて、原理原則に基づいて、どのルールで民泊を行なうのか。その『見極め』ができるようになると、不動産投資の見方が変わります」(川畑さん)。

全国で開催している、民泊をテーマにしたセミナーでは市場規模や将来性、アプローチの仕方などの全体像を解説しているそうです。「新法が成立したら民泊投資を始めたい、という方も多く見受けられます」と川畑さん。訪日外国人が増える中で「外国人旅行者は、どのような人たちか」「民泊に何を求めているのか」。これらを理解しながら、民泊ビジネスを始めてみてはいかがでしょうか。(提供:民泊投資ジャーナル)

最終更新:8月13日(土)6時10分

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