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8割の投資家が損をする理由 投資家心理と価格変動の不思議な法則

ZUU online 8/13(土) 11:10配信

投資の世界では「8割の人が損をする」と言われるが、これは事実を反映しているように思う。そこには明確な理由があり、なぜか投資家は「利益を上げるために株を買っているのに結局最後は損をする」という不思議な状況にある。はたから見れば、「なぜ損をする株を買うのか?」と思わずにはいられないこの事実の裏にある法則について解説する。

■上がるか下がるかは5割の確率?

投資家がある銘柄を購入した後、株価の動く方向は2つしかない。上昇するか下落するかだ。実際のところはともかく、この意味に限って言えば確率は5割だ。

しかし、上に書いたように、投資の世界では「8割の人が損をする」。ある瞬間の次の値動きの確率が上昇か下落か5割の確率で動くとすれば、この環境の中で8割の人が損をするのは、理解に苦しむ。

実はここには投資家の歪んだ心理が影響しているのだ。

■投資家は利益と損失に対してまったく違った行動を選ぶ

投資家の歪んだ心理を解説するために、2つの例を上げてみよう。

ある投資家が(1)含み益を保有している状態と、(2)含み損を保有している状態の2つだ。この時、この投資家は何を考え、どんな行動を選ぶだろうか。具体的に心理を想像できるように、それぞれ利益と損失の金額を100万円とする。この投資家は、「100万円」という同じ金額の利益と損失に対して、何を感じ、どう行動するのだろうか。あなたも想像して欲しい。

(1)含み利益を保有している状態
100万円の含み利益を保有している投資家が気にすることは、「この利益が無くならないだろうか」という“利益の減少”に対する心配だ。この投資家は、どうしてもこの心配が頭から離れず、それほど遠くない将来にこの含み利益を生んだ株式の買いを決済し、投資を終える。利益を失いたくない一心で、早々に利益確定を行うのだ。

(2) 含み損を保有している状態
100万円の含み損失を保有している投資家が気にすることは、「これを決済すれば損をしてしまうので、決済をせずに価格が元の買値まで戻ってほしい」というものだ。決済すれば損失が確定されるので、この状況を耐え忍び、含み損失の確定を先送りして、価格が元に戻るのを待つ。俗に、「塩漬け」と呼ばれる株は、こうして完成する

これらの心の動きと行動の選択は、投資家の典型的なパターンだ。なぜなら人は、脳の奥深くに、「生存の可能性が広がるものを手に入れ、生存の可能性が低くなるものを避けようとする本能」を持っているからだ。

別の言い方をすれば、「人は痛みを避けて快楽を得ようとする」。これが人の本能であり、投資家は本能に従い行動しているに過ぎない。しかしこの時点で投資家は、自らの無知により目の前に大きな落とし穴が空いていることに気づいていない。

上で書いた2つの行動を読み返してみると、1つの事実に到るだろう。

投資家は含み利益が出た株保有ばかりを決済し、含み損失が出た株保有は決済せずに、そのまま保有を続ける。この行動を繰り返せば、いつしかこの投資家の株式のポートフォリオは、含み損失だけの銘柄で占められるようになる。

ここで問題は、含み損が購入価格まで戻るのだろうかという疑問だ。この疑問に対して、「100%戻る」と答えられる人はいない。ここに注意しなければならない。

■投資で成功するために手に入れるべきもの

ここで市場の価格変動の性質を改めて確認してみたい。長い年月の中では、どんな銘柄でも長い期間、大きい値幅で上昇する時期もあれば、同じように長い期間、大きい値幅で下落する時期もある。市場にはトレンドが現れる。

この価格変動のトレンドの性質を確認した上で、投資家の「含み損失ばかりを先送りし、自分の口座の中に残してしまう」という行動が、どのような結末に至るかを想像して欲しい。

含み損を先送りすることばかりに目と心を奪われた投資家は、その株が長い期間、大きい値幅の下落を続けることなど想像していない。そしてひとたび大きなダウントレンドが市場に訪れた時、(2)の行動を選び続けた投資家は、その損失の拡大に心と投資資金を折られることになる。

「購入価格に戻るまで耐えよう」と思っていた投資家が損失の拡大に耐えられなくなった時、この投資家は損失の拡大から逃れたい一心でその銘柄の決済を行い、膨大な損失が計上される。

これが一般的な塩漬け株が向かっている典型的な末路だ。こうして、投資家は小さく利益を確定し、大きい損失に打ちのめされ、最終的に損をする。

不思議でもあり至って当たり前でもある法則から逃れるには、価格変動の性質を理解し、資金管理の術を身に着け、自信を持って利益を大きく伸ばし、勇気を持って損失を小さく確定することだ。

いつも人は楽をしたいと思い、短絡的に痛みを避け、快楽を手に入れてしまうのだ。だから投資で成功することができない。投資で成功するためには、市場や価格変動に対する深い洞察と自分を律する強い心が必要なのだと理解して、それを手に入れて欲しい。


松下 誠(まつした まこと)
まこと投資スクール株式会社 代表取締役
2001年2月に株式投資と商品先物投資を開始。1年半で1,500万円の資金を失うも、諦めることなくトレードを学び、厳格な資金管理とトレードルールを作り上げた。直接指導した投資家は3万人以上に及ぶ。松下誠が運営する投資情報サイト「インベスターズクリニック」https://www.dreamworks.co.jp/

最終更新:8/13(土) 14:22

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