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金藤理絵、日本競泳最年長金メダリスト!涙の集大成27歳雑草娘

デイリースポーツ 8月13日(土)6時4分配信

 「リオ五輪・競泳女子200m平泳ぎ・決勝」(11日、五輪水泳競技場)

 女子200メートル平泳ぎ決勝で、日本競泳陣の主将を務める金藤理絵(27)=Jaked=が、2分20秒30で金メダルを獲得した。競泳女子で日本の金メダリストは5人目で、この種目では1936年ベルリン五輪の前畑秀子、92年バルセロナ五輪を日本勢最年少の14歳で制した岩崎恭子以来3人目。日本競泳女子で表彰台に立った最年長選手になった。

 10年分の苦悩が結晶した金色のメダルは、想像以上にずっしりときた。「こんなに重いんだ…」。1年前まで失意のどん底にいた金藤が、集大成で臨んだ夢舞台で頂点に登りつめた。スタンドに手を振っていると今までのことがよみがえり、自然と涙があふれた。

 一かき一かきで栄光をたぐり寄せた。最初の50メートルを5位で折り返すと、100メートルを越えてトップに立った。「150メートルで左右を見ていけるかもと思った」。金メダルへ続く最後の一本道は無心で泳いだ。

 弱虫な自分を殺すための長い道のりだった。昨夏の世界選手権で「怖くて力を出せなかった」と6位にとどまった。「最後に周りのみんなの記憶に残るレースがこんな惨めなのは嫌だ」。何度目かわからない引退の意向を翻し、リオでの完全燃焼を誓った。

 広島県北部の庄原市出身。小学3年で水泳を始めたものの、近所に温水プールはなく、屋外にある十日市水泳プールで泳げるのは夏だけ。「田舎なので。冬場は休みの時に車で2時間くらいかけて島根まで行った」。恵まれない環境で“雑草娘”は地道に力をつけた。

 運命的な出会いは、東海大に入学した07年。加藤健志コーチ(50)は初めて見た18歳に衝撃を受けた。「俺の練習メニューをやれば世界記録を出せる」。才能は開花し、08年北京五輪に出場。翌年には日本記録も樹立した。

 しかし、10年春に椎間板ヘルニアを発症し、ロンドン五輪は落選。自信を失い、毎年のように「辞めたい」と口にした。加藤コーチはそのたびに却下した。「お前の気持ちなんかどうでもいい、とにかく泳げ!!」。昨夏の惨敗で2人の足並みがそろった。昨秋からは地獄の猛練習がスタートし、毎日1万6000メートル以上の泳ぎ込みを続けた。

 誰にも負けない猛練習で自信を取り戻し、大輪の花を咲かせた。「腰が抜けた」と加藤コーチ。「初めて堂々たるレースをした。人間ってこんなに変われる。スーパースターでも器用でもないけど、努力すれば金メダルを取れるんだと証明してくれた」。

 北京五輪で表彰台の頂点に立った北島康介に憧れた。同じ場所に立った遅咲きの27歳は「ちょっと恥ずかしい」とはにかんだ。

最終更新:8月13日(土)7時15分

デイリースポーツ