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衝撃の移籍から半年…ナカムラWWE名勝負5選

東スポWeb 8月13日(土)16時44分配信

 日本が世界に誇る「キング・オブ・ストロングスタイル」ことシンスケ・ナカムラ(中邑真輔=36)が、20日(日本時間21日)のWWE・NXT「テイクオーバー」大会(ニューヨーク州ブルックリン)でNXT王者のサモア・ジョー(37)に初挑戦する。新日本プロレスではIWGP王座を総ナメにしたナカムラだが、勝てばわずか入団半年でWWE初戴冠の快挙となる。待望のメジャー昇格も現実味を帯びてきた今、ナカムラのWWE名勝負ベスト5をお届けします(日本公演以外の日付は現地時間)。

【4・1テキサス州ダラス サミ・ゼイン戦】1月いっぱいで新日プロを退団したナカムラは2月にWWEと正式契約。この日、待望のデビュー戦を迎えた。入場曲こそ変わったが、コスチュームは日本と同じ革のベストに赤のロングタイツ、赤のリングシューズ。しかも本名でのデビューは破格の待遇だ。短期参戦や王者としての参戦を除き、日本人で同様の前例はほとんどない。

 独特の試合スタイルも貫いた。大「ナカムラ」コールを背に、しなやかな動きから打撃を中心に試合を組み立てる。エルボー合戦で鼻血を出す場面もあったが、飛びつき腕ひしぎ逆十字から三角絞めに移行。リバースパワースラムでペースを奪い返す。

 さらには首にエルボーを叩き込むと、後頭部にダイビング式のキンシャサ・ニー・ストライク(ボマイェ)を発射。最後はたぎりにたぎった後、渾身のキンシャサ弾で激闘に終止符を打った。

 日本マットでおなじみだったボマイェは「キンシャサ――」に改められたが、これは自身のアイデアだったとナカムラは後日、明かしている。試合後は場内の大歓声に「イヤァオ!」と応え、日本プロレス界最高のカリスマは最高の形でWWEデビューを果たした。

「タフな試合だったけど、すげぇエンジョイできた」。衝撃度という点でも、間違いなくナンバーワンに挙げられる試合だった。

【7・1東京・日本武道館 クリス・ジェリコ戦】WWE日本公演(7月1、2日)で凱旋帰国を果たしたナカムラは、思い出の多い国技館のリングでジェリコと初シングル戦に臨んだ。中盤にはウォールズ・オブ・ジェリコで捕獲されて苦戦を強いられるも、カウンターのヒザ蹴りで逆転。最後は必殺のキンシャサ弾を決めて3カウントを奪った。試合後には「俺は数多くの日本人レスラーを見てきた。お前は将来WWEのチャンピオンになるだろう」と最大級の賛辞を受けた。感激に浸りながらもナカムラは英語で「あなたも日本でレジェンドだ」と大先輩に礼を尽くし、最後はおなじみの決めゼリフ「イヤァオ!」を久々に日本のファンの前で絶叫した。

 これが約5か月ぶりの日本マットとなったナカムラは「日本を代表してWWEで戦うことは、名誉なことだと思います」と胸を張った。「スタイルを貫くのにもいろいろな努力があるんです。それを感じさせないのが(腕を指さしながら)“ココ”ですよ」。誇り高き信念が、再び日本のファンを沸かせた好勝負だった。

【7・27フロリダ州オーランド ウェスリー・ブレイク戦】ナカムラが快勝でNXT王座挑戦を正式に決めた一戦だ。この日の相手ブレイクは元NXTタッグ王者の実力者。独特の動きにペースを乱されるシーンもあったが、最後は鮮やかなキンシャサ弾が顔面を直撃。無敗をキープした。

 ナカムラが大歓声に応えていると、ウィリアム・リーガルGMが登場して勝利を祝福。「おめでとう! 次のテイクオーバー(8月20日)でサモア・ジョーへのタイトル挑戦を正式決定する」と発表した。先にロウ昇格を果たした盟友のベイラーも、WWEユニバーサル初代王者決定戦への出場を決めたばかり。ナカムラにもNXT王座からメジャー(ロウ&スマックダウン)昇格への道が大きく開かれたわけだ。

 同大会には「クルーザー級クラシックトーナメント」に出場中の飯伏幸太(飯伏プロレス研究所)も登場。こちらも元NXTタッグ王者のバディ・マーフィーをシットダウン式ラストライドで沈め、トーナメント優勝へ弾みをつけた。日本出身レスラーが主役を独占した大会だった。

【7・13フロリダ州オーランド フィン・ベイラー戦】元IWGPジュニア王者のプリンス・デヴィットことベイラーは昨年7月に、いち早くWWE移籍を果たした。ナカムラの入団後はタッグパートナーとして共闘することが多かったが、この時点での「NXT頂上決戦」ともいえる一戦で両雄は激突した。

 ナカムラがあらゆる方向からヒザ蹴りを決めれば、ベイラーも得意の空中殺法で反撃。ダブルフットスタンプで流れを変えると、今度は執拗な関節攻撃を仕掛けてくる。これに耐え抜いたナカムラは一瞬のスキを突いてキンシャサ弾を爆発させ3カウントを奪取。20分超の激闘を制した。

 大会冒頭ではNXT王者サモア・ジョーが「誰もが今日のメーンに注目しているが、どちらが勝とうとNXT王座を守るのはこの俺だ!」と異例のアナウンスを発しており、注目度の高さがうかがえた。ベイラーを撃破したナカムラはNXT王座へ大きく前進する。

【7・16ケンタッキー州ルイビル 男女混合10人タッグ戦】初めて女子選手とタッグを結成した記念すべき一戦。ネットワーク中継はなく、ハウスショーで実現した。4日後のドラフトでロウ昇格を果たしたベイラーにとっては、NXTラストマッチとなった。

 ナカムラはベイラー、前NXT女子王者のベイリー、そしてベイラー同様に直後のドラフトでスマックダウンに昇格したアメリカン・アルファ(ジェイソン・ジョーダン、チャド・ゲーブル)とチームを結成。サモア・ジョー、アレクサ・ブリス、スコット・ドーソン、ボビー・ルード、ダッシュ・ワイルダー組に勝利した。試合よりも場内を沸かせたのは、ゴング前のシーンだった。

 3人のメジャー昇格を予感していたのか、ナカムラ組は円陣を組むと全員が右手を中央で合わせる。そして打ち上げ花火のように大きく後方へはじけると、5人同時で「イヤァオ!」のポーズを決めたのだ。試合後も5人が腕を組んで勝利をアピール。ナカムラも実に楽しそうな表情を浮かべ、カリスマが懐の深さを証明した。

最終更新:8月13日(土)16時44分

東スポWeb