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あす熊本地震4カ月 墓石崩れたまま、雑草伸び放題 初の盆入り農家苦悩

日本農業新聞 8/13(土) 7:00配信

 死者49人、関連死を含めて87人が犠牲になった熊本地震の被災地が13日、震災後初となる盆入りを迎えた。強い揺れにより多くの墓石が倒壊。再建もままならず、先祖に手を合わせることさえできない地域もある。「ご先祖さんには申し訳ないけれど、自宅の修復が済むまで我慢してもらうしかない」。農家らは複雑な思いを抱えながらも、前に進もうとしている。

先祖に申し訳ない でも・・・生活再建が先

 地震により阿蘇大橋が崩落、鉄道の運休が続く南阿蘇村の立野地区。震災発生から14日で4カ月を迎える中、いまだ断水が続く。商店は閉鎖され、工事関係者以外、人の姿が見当たらない。

 そうした中でも、地区に住み続けている吉野隆さん(60)。盆入りを前に、被災した先祖代々の名前が刻まれた墓石の前に立ち、つぶやいた。「今年は地震で親戚も集まらん。盆も家でできん」。墓は7年前に新しく建てたばかり。4月16日の震度6強の本震で墓石が崩れて散乱、足の踏み場さえない状態だ。

 墓参りといっても今年は墓を洗うことも、水を掛けることもできない。墓は両親と祖母の骨つぼが割れて、遺骨がむき出しになった。「両親とばあちゃんが、かわいそうでかわいそうで」と吉野さん。遺骨を必死に集め、自宅に持ち帰って大切に守っている。

 同村では、地震や土砂崩れで16人が犠牲になった。「集落のみんなは避難して、どの家も明かりがつかず、真っ暗だ」と吉野さん。例年は盆入りを前に、集落の仲間と墓地の草むしりをするが、それもできない。

 吉野さんが集落を去らないのは、慣れ親しんだ古里を離れたくないから。妻の民子さん(58)も同村の木之内農園で働いている。「4月の時点で時間が止まってしまった。自宅も墓も、いつ元通りになるのか」と民子さん。一日も早い復旧を願うばかりだ。

 5人が犠牲になった西原村では、サツマイモ農家の曽我君代さん(65)の先祖代々の墓地が倒壊。数年前に300万円かけて建てたばかりだった。「自宅の片付けが先で、墓は後回し。お墓の修復にまた数百万円が必要になる」と悩む。

 「先祖のために盆前までに墓を起こしてやりたかった」と、急いで修理したのは益城町でミニトマトを栽培する鎌田秀則さん(58)だ。自宅が全壊し、いまも敷地内に建てたプレハブ倉庫で家族と生活する。15日には家族と一緒に墓参りをする予定だ。

 地震で全壊した益城町の木山共同納骨堂は、仮設の礼拝所を造った。地震で位牌(いはい)や骨つぼが並ぶ部屋が押しつぶされ、再建の見通しは立っていないためだ。同納骨堂管理組合は「どんなに小さなものでも先祖に手を合わせられる場所をつくりたい」との思いから、積立金でコンテナ倉庫の中に仮の祭壇を用意し、誰でも参拝できるようにした。

 自宅が全壊した同組合委員長の河内俊雄さん(76)は「避難している人は多いが、この場所で手を合わせることで、復興への力にしてほしい」と呼び掛ける。13日の盆入りから3日間は、朝から晩まで開けている。(木原涼子)

日本農業新聞

最終更新:8/13(土) 7:00

日本農業新聞

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。