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相次ぐ襲撃事件でパリのホテル稼働率が半減、ベルギーで人気のツアーとは

The Telegraph 8/13(土) 10:00配信

【記者:David Chazan、Martin Banks】
 襲撃事件が相次ぎ、治安が懸念されるフランスでは外国人旅行客が減少し、首都パリ(Paris)のホテルの客室稼働率は昨年と比べて半分に下落している。

 フランス経済にとって欠かせない観光業は、昨年11月にパリで130人が殺害される事件が起きて以来、急激に落ち込んだ。7月14日にニース(Nice)で花火の見物客にトラックが突入し85人が犠牲になってからは、観光客の数はさらに減少した。

 政府はツアー業者や旅行ジャーナリスト向けにフランスは安全な旅行先であると売り込むキャンペーンを開始し、観光地やビーチでは武装した兵士や警察官による警備を強化しているが、観光客を安心させるまでには至っていないようだ。

 最も大きな打撃を受けているのは、1年を通して観光業に依存しているパリだ。

 政府の観光キャンペーンを統括するマティアス・フェクル(Matthias Fekl)観光振興担当相によると、7月後半のパリのホテルの稼働率はわずか32%で、昨年同時期の77%の半分以下だという。ニースでは、7月の事件から2週間でホテルの収益が45%も減少した。同相は、ホテルやレストランに対し、融資の返済や納税の猶予措置も取っている。

 しかし、旅行サイト「イージーボヤージュ(Easyvoyage)」のジャン・ピエール・ナディール(Jean-Pierre Nadir)氏によると、外国人観光客が減少した原因は襲撃事件だけではないという。

「タクシー運転手による新興競合業者に対する抗議運動や、労働法改正に反対するデモ、鉄道労働者のストライキなどもフランスのイメージを傷つけた」と、同氏は言う。

 ベルギーの首都ブリュッセル(Brussels)では3月に連続自爆攻撃が発生して32人が殺害されて以降、同国を訪れる観光客数も減少したが、イスラム過激派が数多く集まっていたことで知られる悪名高いブリュッセルのモレンビーク(Molenbeek)地区のガイド付きツアーは人気を博している。

「大惨事ツーリズム」と批判する声もあるが、国内外の人々の間では「テロの温床」とされる場所を訪れることへの関心が高まってきているようだ。

 旅行会社「Brukselbinnensebuiten」によると、モレンビークへのツアーの数は事件後に10倍近く増えたという。ウオーキングツアーは予約でいっぱいだ。毎週土曜日になると、約40人ごとのグループがガイド付きのツアーに参加している。

 パリとブリュッセルの事件の犯人の多くがモレンビークで育った。また、ISIL(イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の別称)に参加するためにベルギーからシリアに渡航した500人のうちの多数がモレンビーク出身者であることも分かっている。

 一方で、ブリュッセル南約50キロにあるシャルルロワ(Charleroi)で6日、女性警官2人がなたで襲われた事件を受けて、ブリュッセル市内では、当初の予定より1か月先の少なくとも9月までは武装した兵士が路上で警備に当たることになった。

 ブリュッセルは連続攻撃の後、推定1億5000万ユーロ(約170億円)以上の収入が失われたとみられている。ホテルの予約は前年比で25%減。レストランやバー、カフェからも客足が遠のいている。【翻訳編集】AFPBB News

最終更新:8/13(土) 10:00

The Telegraph