ここから本文です

夏だ!フェスだ!音響機器がライブ市場を盛り上げる

ニュースイッチ 8/13(土) 8:51配信

夏だ!フェスだ!音響機器がライブ市場を盛り上げる

 今や風物詩となった野外音楽イベント「夏フェス」。音楽をよりリアルに体験できることから、夏フェスなどのライブ市場が活発化している。これに伴い、音響機器の販売にも好影響が波及してきた。ソニーはイベントを利用し、マーケティングを推進。パナソニックや米ボーズは、ライブ会場向けの製品を拡充する。音楽の聴き方が多様化する中、音楽と消費者の接点が大きいライブ市場の成長は音響機器メーカーにとって商機になっており、各社は戦略に工夫を凝らしている。

<フジロックで「ハイレゾ」の好感度上げる>

 青い空が広がる山々の麓に大音量のロックが響き渡る。20―30代の若者は雄大な自然の中に佇み、ヘッドホンを耳に当てて音楽に聞き入っている―。

 7月に苗場スキー場(新潟県湯沢町)で開かれた「フジロックフェスティバル」での光景だ。彼らが手にしているのは、ソニーのハイレゾ対応ヘッドホン。同社は会場の一角に視聴コーナーを設置し、ヘッドホンやスピーカー、ウォークマンなどCDよりも高音質なハイレゾ音源対応機器を展示した。訪れた客は「全然違う曲に聞こえる」と笑顔をみせる。

 ソニーは6月に開かれたフェスでも視聴コーナーを設けるなど、フェスを積極的に活用している。狙うのは“音楽好き”の取り込みだ。ソニーマーケティング(東京都品川区)の新宮俊一統括部長は「音にこだわるハイレゾ機器は、音を楽しむ消費者との親和性が高い」と説明する。

<音楽好きとの接点「フェス」以外への波及狙う>

 ソニーと消費者の一般的な接点は、直営店や家電量販店だ。一方、フェスに足を運ぶ客は音楽を楽しむ体験を第一の目的にしており、購買意欲を持つ量販店の客層とは異なる。そこで視聴コーナーで最新機器を体感してもらい、製品にも興味を持ってもらう。音楽を楽しむ「コト」好きの客を「モノ」の購入へと導き、こうした良いサイクルを回すことが目的だ。

 フジロックの視聴コーナーでは、フェスに来ていない音楽ファンへの波及効果も狙った。記念撮影用のパネルを設置し、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)で情報を拡散しやすい仕掛けを整えた。

 3日間の開催でSNSにアップされた件数は当初目標の2・7倍となる約1350件で、成果は上々だ。新宮統括部長は「音楽そのものを楽しむことをサポートし、機器の販売につなげたい」と意気込む。

<10年ぶりの新製品でこだわった“原音に忠実”>

 6月にパナソニックが披露したのは、10年ぶりとなる設備用音響機器の新製品「RAMSA Auditorium(ラムサ・オーディトリアム)シリーズ」だ。ホールや劇場、スポーツ施設向けデジタルミキサーやアンプ、スピーカーなど計12機種を9月に発売する。

 こだわったのは“原音に忠実”であること。設備音響事業を手がけるパナソニックシステムネットワークス(同中央区)の松本泉主幹技師は「舞台上で鳴っている音を、そのまま届けられるようにしなければいけない」と力を込める。2015年10月には開発拠点である福岡事業場(福岡市博多区)に視聴室を新設し、細部まで音を追究した。

 同社の設備用音響機器は最大で700人規模の施設を主対象にしており、音楽に限らず講演や演劇など多目的な用途に使われることが多い。

 しかし最近は音楽イベントで利用されることも増え、ライブ市場の成長は追い風だ。「特に新製品のスピーカーは音質や使い勝手が好評で、イベントでの利用が伸びそうだ」(田中明伸開発統括担当)。新製品発表会では有名なバンド「カシオペア・サード」がライブするなど、音楽利用へのアピールに力を入れる。

 今後狙うのは、1000人以上を収容する大会場向け市場だ。現在はスタジアムといった大規模施設向けの大型スピーカー「ラインアレイスピーカー」を開発中で、17年度の発売を目指す。「ターゲット市場を広げて、将来は海外へも展開したい」(有村稔係長)と期待をかける。

1/2ページ

最終更新:8/13(土) 8:51

ニュースイッチ

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。