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【高校野球】盛岡大付が初の甲子園2勝 152キロ右腕に打ち勝つ原動力となった2試合

Full-Count 8月13日(土)20時44分配信

14安打11得点の猛打で勝利、指揮官が思い出した4年前の大谷攻略の記憶

「とにかく今年のチームは打ち勝つ意識をもって甲子園を戦います。遠くに飛ばす。強いライナー。練習では3時間も4時間もやっている時がありますよ」

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 盛岡大付・関口清治監督は今年のチームに自信を見せていた。その言葉通り、1回戦は強力打線で知られる九州国際大付(福岡)との打ち合いを制し、8-6で勝利。14安打を浴びせた。2回戦の創志学園(岡山)戦も同様に14安打11得点。11-8で勝利し、今大会注目の高田萌生投手を攻略した。

 この日、高田は序盤から飛ばし、3回には今夏最高の152キロを計測した。試合は3回までに4点を奪われ、盛岡大付は劣勢だった。「4点では慌てることはないです。まぁ、ただ今回は相手が高田君なのでどうなるかなとは思っていましたが……」。相手は速球派のプロ注目投手。対戦を前に関口監督は、2012年夏の岩手県大会決勝・花巻東戦のことを思い出していた。 

「流れを変えるのは長打だな」

 4年前の夏。相手は160キロ右腕、大谷翔平(日本ハム)だった。結果は15三振を奪われたが、盛岡大付が5-3で勝利して、甲子園切符をつかんだ。その時も相手右腕に押されていたが、本塁打が流れを大きく引き寄せた。1-0の3回1死一、二塁から大谷の148キロの直球を二橋大地(現東日本国際大)が3ランを放っていた。

 好投手相手には長打が出ないと攻略は難しい。創志学園戦でも守りに入らず、思い切って打っていくことを指示した。

 選手たちは期待に応えた。0-4の4回、3番・植田拓が左翼席へ逆転劇の扉を開く本塁打。4回に4点を奪い、同点に追いつくと、5回にも4点。3点を返されても、また3点を取り返す。打ち合いを制した。終わってみれば、プロ注目投手から11安打10得点を奪ってみせた。関口監督は4年前の教訓を生かした。

2試合で24安打19得点、「甲子園で勝ちぬくためには打てるチームを」

 そして、2年前の夏の経験も忘れてはいない。あの時も2勝目を目指して戦った。しかし、結果は無残にも大敗だった。

 2014年の夏の甲子園。松本裕樹投手(現ソフトバンク)を擁して、岩手を制した。選手権でも優勝候補だった東海大相模(神奈川)を初戦で破り、勢いに乗るかと思えた。しかし、続く試合で敦賀気比(福井)に1-16と惨敗した。

 試合後、関口監督は「もう1度、打てるチームを作ってここに戻ってきたいと思います」と悔しさをにじませた。「夏、甲子園で勝ちぬくためには打てるチームを作ってこないといけない」。指揮官の挑戦は始まった。

「近距離バッティングというものを取り入れました。打撃練習でマシンを11メートルに設定して、木製バットで打つ。速いボールをそれも芯でとらえなければ、そりゃ、もう腕が痛いです」

 本来、マウンドと本塁の距離は18.44メートル。約7メートルも近ければ、体感速度は全く違う。守備練習をしないで、打撃練習だけの日もある。選手たちも打撃力に自信を見せる。地方大会のチーム打率は3割9分5厘。捕手の伊藤勇貴が6割3分6厘をマークするなど、5割超えが4人もいる。とにかく打って打って打ちまくる。どこからでも点が取れる打線が完成した。

 この夏、甲子園は2試合で24安打19得点。強力打線で同校初の甲子園2勝を手にした。次戦は選抜王者・智弁学園(奈良)を打ち破った鳴門(徳島)との対戦が決まった。もはや勢いではない。全国屈指の好投手たちとの対戦が待ち遠しい。

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

最終更新:8月13日(土)21時4分

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