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[書評]100年の歴史で“主体”となる在日朝鮮人

ハンギョレ新聞 8/13(土) 13:08配信

『在日朝鮮人ー歴史、その先の歴史』 水野直樹・文京洙著、ハン・スンドン訳/三千里

19世紀以降の在日朝鮮人史
近現代史の専門家が再照明

1945年まで強制徴用67万人
解放後は同化しなければ排除

被害者としてより主体として注目
「反動状況正すため執筆」

 日本帝国主義に敗戦となった1945年8月時点、日本には200万~210万人ほどの朝鮮人が住んでいたものと推定される。ほとんどが朝鮮に帰る考えでいたが、うまく状況は進まなかった。朝鮮半島はすでに米ソの覇権争いの舞台となり、左右分裂など混乱がピークに達していた。在日朝鮮人に対する米国占領軍(GHQ)の政策は「計画送還」、ただ単に「帰還を奨励し援助するのがすべて」だった。それさえも帰還者が持参できるお金は1000円、動産は250ポンドに制限された。その結果、計画送還を通じた帰還者は8万3000人余りに止まった。植民地時代を経て、日本社会に根を下ろして生きてきた朝鮮人の多数は、そのまま日本に居残ることになった。

 近現代史専門家の水野直樹・元京都大教授と文京洙(ムンギョンス)立命館大教授の共著となる『在日朝鮮人』は、在日朝鮮人の歴史を総体的かつ簡潔に記述した本だ。在日朝鮮人を「明治時代以来、朝鮮半島から日本に渡り、一定期間居住することになった人たち」とみれば、その歴史は100年以上になる。

 明治維新後に土木工事などが増え、朝鮮人労働者らが日本に渡り始め、1910年の韓日強制併合以降はその規模が大きく増えた。植民地経済の崩壊が主な背景だった。彼らは日本で主にきつくて、汚くて、危険な労働を引き受け、集団居住して朝鮮人のアイデンティティを維持した。同じ「帝国臣民」だが、日帝当局は日本人の戸籍と朝鮮人の戸籍を分離して管理した。「特高警察」の監視対象に「朝鮮人として排日思想を持つ者」が含まれるなど、朝鮮人は常に監視と警戒の対象だった。日帝当局は「協和会」を作り朝鮮人の日常生活を統制し、朝鮮語を使うことができないようにするなど日本化を強制した。戦時中は強制徴用や強制労働で在日朝鮮人の規模は急増した。1945年まで動員を通じて日本に来た朝鮮人は67万人程度と推定される。サハリン(1万6000人)、南洋群島(6000人)にも強制動員された。彼らは炭鉱、鉱山など危険な労働現場に閉じ込められ、職場を移すことも、家族に送金することもできなかった。

 解放直後は、在日朝鮮人が経ねばならない重要な歴史的ターニングポイントの一つだった。計画送還が終わった1946年12月、占領軍は「日本に引き続き居住する在日朝鮮人は日本の全ての国内法や規則に従わなければならない」と明らかにした。在日朝鮮人を法形式上の「日本国民」として、日本の司法的統制下にあると規定したのである。しかし、日本政府は1945年に選挙法を改正し、日本の戸籍を持たない旧植民地出身者の参政権を停止させた。1947年5月に制定された「外国人登録令」は在日朝鮮人を強制退去すらできる外国人管理対象に含ませた。朝鮮戦争最中の1952年4月には、法務省民事局「通達」の形で、旧植民地出身者の日本国籍を一律的に剥奪すると発表した。これに対し著者らは「参政権停止と外登令制定は戦後の新たな国民形成過程で『国民』の意義を縮小し、在日朝鮮人を民主主義や人権といった価値が及ばない死角地帯に追い出した」と指摘する。日本社会で生きていても、日本社会に完全に同化できないと外国人として差別と排除を経験しなければならない矛盾する体制ができあがる。この同化主義は、「在日韓国人は日本人に同化する運命」(1964~66年外務部長官の李東元)と表現した政府の「棄民政策」(在日同胞を捨てる政策)と対を成す。

 しかし、100年の歴史の中で在日朝鮮人が常に外部の不可抗力に巻き込まれてこなかったわけではない。彼らが主体的に行った活動に注目したのは、この本の最も大きな特徴だ。日帝強制占領期にも朝鮮人は自分らの権益を守るための戦いに常に積極的で、終戦後に在日本朝鮮人連盟(朝連)を作り日本共産党と連帯し、政治的主体として浮上した。朝連最高顧問だった金天海は日本共産党中央委員の7人に含まる。ただ、世界的冷戦と南北が分断された祖国の現実の中で、国民と民族を絶対基準にした在日朝鮮人運動も分裂と葛藤を経験するしかなかった。

 著者はこの中で起きた新しい変化にも注目した。1970年に19歳の青年が在日朝鮮人という理由で自分の採用を取り消した日立を相手取り訴訟を起こした。在日朝鮮人に対する差別を露呈したこの戦いを応援したのは、国籍や民族を掲げる既存の政治組織ではなく、いわゆる市民運動の勢力だった。朝鮮人集団居住地域が多い川崎では地方公務員の国籍を制限する条項を撤廃するなど、在日朝鮮人関連問題を「住民」または「市民」の観点で見ようとする動きが現れ、それが全国に広がった。日本社会が多民族社会へと変化しながら、在日朝鮮人運動でも過去の南北イデオロギーや日本居住の履歴などから脱し、「日本社会での参加や責任を自覚して地域の住民と共生・共存する原則」が新たに作られているという。

 問題は最悪の状況に進んでいる韓日関係だ。競争するように右傾化する両国の政権は「国家を超えた新たな東アジア」からますます遠ざかろうとしている。インターネットでは民族感情をあからさまにしたた差別的発言が蔓延り、ついに街で「殺せ」と叫ぶ声まで出ている。著者は「最近の反動とまでいえるこのような状況は、日本社会が在日朝鮮人を理解し認識する水準がどれほど薄っぺらなものか教えてくれる」。これを正すためこの本を書いたと明らかにした。在日朝鮮人についてどれほど知っているのか自問することになる。

チェ・ウォンヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:8/13(土) 13:08

ハンギョレ新聞

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核融合こそ未来のエネルギー問題への答えであり、子どもにだって世界は変えられる、テイラー・ウィルソンはそう信じています。そして彼はそのどちらにも取り組んでいます。14歳の時に家のガレージで核融合炉を作り、17歳となった今、直前の依頼に応えてTEDのステージで自分の物語を(手短に)語っています。