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憲法9条の戦争放棄は日本が先に提案

ハンギョレ新聞 8/13(土) 6:43配信

東京新聞、マッカーサーへの書簡の資料を新たに発見 米国が強要したとの主張に対する反論の根拠に

 
 「平和憲法」といわれる日本国憲法(1946年制定)の核心は戦争放棄を宣言した9条にある。

 しかし安倍晋三首相を含めた右派勢力は、9条は日本自ら選択したのではなく、戦勝国の米国が強要したものであるため見直すべきだと主張してきた。東京新聞は、憲法9条が幣原喜重郎元首相が元米軍政司令官のダグラス・マッカーサーに先に提案したという史料が新たに発見されたと12日報じた。新しい史料は9条を米国が強要したものだったとする右派の主張に反論する根拠として価値があり、今秋から本格化する日本の改憲議論にも影響を及ぼす可能性があると同紙は伝えた。

 同紙は、東京大学の堀尾輝久名誉教授が連合国総司令部(GHQ)のマッカーサー元司令官が憲法調査会の高柳賢三元会長に送った手紙を日本の国会図書館で発見したと伝えた。この手紙には「幣原喜重郎元首相が戦争を禁止する条項を憲法に入れようという提案をした」と明確に書かれている。

 安倍首相の母方の祖父で平和憲法改定を主張した岸信介が首相に就任した1950年代に話は遡る。太平洋戦争後、A級戦犯として逮捕されたが、米国のレッドパージ(共産主義者追放)により政治的に再起できた岸元首相は、平和憲法を改定し日本が再軍備すべきだと考えた人物だった。岸は1957年に憲法審査会を作り憲法制定プロセスを調査した。 当時の憲法審査会会長だった高柳はこのために1958年に渡米し、マッカーサーに9条を挿入したプロセスについて問う書簡を送った。

 「(憲法制定当時首相であった)幣原が新憲法の草案に戦争放棄と武力の保有を禁止する条案を入れるよう提案したのか、それとも貴下(マッカーサー)が憲法に入れるよう勧告したのか」と高柳は質問した。マッカーサーは高柳に「戦争を禁止する条項を憲法に入れようという提案は幣原首相がした。提案には驚いたが、私も心から賛成すると述べ、首相ははっきりと安心した表情を見せた。私も感動した」と返事を送った。

 日本で9条を誰が先に提案したのかはこれまで議論になってきた。これは日本の憲法が米軍政当時、米国との交渉を通じて作られたという複雑な事情に関わる。米軍政は、太平洋戦争の惨禍をもたらした日本が二度と戦争を起こさないようにすべきだという考えがあった。しかし敗戦後、日本が初めて用意した憲法草案は軍隊を認めるなど、米軍政当局の期待とはかけ離れていた。これに対し米軍政は日本国憲法制定の方向に当時のマッカーサー連合国総司令官が構想した3原則を提示した。この中には「国家の主権として戦争は廃止する。 日本は紛争解決のための手段として自国の安全を確保するための手段としての戦争も放棄する」という内容が含まれている。

 しかし、戦争放棄を宣言した9条そのものを誰が先に提案したのかが明らかでなく、議論が続いてきた。安倍首相はこれまで「(9条は)極めて短期間に連合国総司令部によって作られた」と強調し、改憲を主張した。

 今回の史料を発見した堀尾名誉教授は「マッカーサーの手紙で幣原元首相が9条を発議したという事実を否定する理由がなくなった」と述べたと東京新聞は伝えた。

チョ・キウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

最終更新:8/13(土) 6:43

ハンギョレ新聞