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普天間、進まぬ安全対策 進入路改善の合意、オスプレイ配備で“風化”寸前

沖縄タイムス 8/13(土) 11:15配信

 【宜野湾】沖縄国際大学での米軍ヘリ墜落事故を受け、日米両政府は2007年、危険性低減のためとして米軍普天間飛行場での進入路改善などに合意した。しかし時間の経過やオスプレイ配備などでこうした安全対策も“風化”寸前の状態となっている。

 改善では、普天間を離着陸する航空機は(1)飛行場南東側の住宅密集地上空を回避(2)北東側の飛行経路を優先して使用-などとした。また飛行場周辺の旋回経路(場周経路)は、現行の場周経路は滑走路から遠くても750メートルのためエンジン停止時にも基地内に不時着できるとして維持された。

 しかし沖縄防衛局の固定翼機航跡調査(14年度)を見ると、宜野湾市の我如古や長田、浦添市西原といった飛行場南東側の住宅密集地に対する配慮はほとんど確認できない=図参照。さらに米軍の運用を見ても1日のうちに何度も離着陸方向が入れ替わるのが確認されており、航空機が北東向きか南東方向かを選ぶ基準は実際には風向きだけと言えそうだ。

 また場周経路は合意当初から「ほとんど守られていない」(宜野湾市幹部)との指摘が絶えない。防衛局の調査でも飛行場から大きく外れ、人口や交通量の多い宜野湾市大山などの上空に集中。遠い場合は滑走路から2キロ前後離れた旋回飛行もあり、騒音被害だけでなく「トラブル時に本当に基地内に戻れるのか」(同)という心配もある。

 さらに12年に配備が始まったオスプレイにより飛行場運用も激変した。オスプレイは場周経路を飛行することがほとんどない半面、滑走路の延長線上を10キロ以上まっすぐ飛行する割合が多い。実際、旧機種のCH46によるこうした飛行は月数回ほどだったが、オスプレイは11日の午後8~9時台だけで5機が相次ぎ着陸している。

 その結果、延長線上の那覇、浦添、沖縄市などで航空機が飛ぶ頻度も増えているが、この場合の安全対策は事実上なく危険はむしろ拡散している懸念がある。

最終更新:8/13(土) 11:30

沖縄タイムス