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たった1機で飛ぶ天草エア、ATR受領から1周年

Aviation Wire 8月14日(日)10時25分配信

 天草エアライン(AHX/MZ)が運航するたった1機の小型機、仏ATRのターボプロップ機ATR42-600型機(登録番号JA01AM)が8月13日で受領1周年を迎えた。ATR機の導入が実現したのは、日本では同社が初めて。

 仏トゥールーズで受領した機体は、2015年8月16日に日本へ向けて出発。途中バーレーンやバンコク、台北など7カ所を経由して、熊本へ21日に到着した。

 熊本で訓練を実施後、地元の天草空港へは今年1月7日に到着。2月20日に就航した。現在は天草-福岡線を1日3往復、天草-熊本線と熊本-伊丹線を1日1往復ずつ運航している。

◆16年選手DHC-8後継

 天草エアラインは2000年3月23日から今年2月19日までの約16年間に渡り、唯一の飛行機として、ボンバルディアQ100(DHC-8-103)型機(登録番号JA81AM)「みぞか号」を運航してきた。

 機齢が高くなった初代みぞか号の後継機として選定されたのがATR42で、座席数は初代より9席増えて48席となり、大型貨物室が機体前方に設けられたことから、乗客と乗員は機体後部ドアから乗り降りするようになった。

 愛称は「かわいい」を意味する天草の方言「みぞか」が継承された。初代と同様、機体が親イルカの「みぞか」、左エンジンは「はるちゃん」、右は「かいくん」と名付けられた子供のイルカが描かれている。

 ワインレッドの客室内装はイタリアのデザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロによる「ARMONIAデザイン」で、イタリア語で調和を意味する。座席数は1列4席で、手荷物収納棚が大きく、ターボプロップ機では客室がもっとも広い。

 機体下部には熊本県の人気キャラクター「くまモン」がサンタクロースに扮した「モンタクロース」を描いた。

◆17年からJACも

  ATRはエアバスと伊アレニア・アエルマッキの共同事業体として、1981年に設立されたリージョナル機メーカー。日本の航空会社では当初、2013年12月に自己破産した地域航空会社リンク(福岡県福岡市)が、日本初のATR機としてATR 72-600(68席から74席)を3機リースで導入予定だった。

 ATR42は天草エアラインに続き、日本航空(JAL/JL、9201)グループで鹿児島空港を拠点とする日本エアコミューター(JAC/JC)が、2017年から導入する。8機を確定発注し、1機をオプション、14機の購入権付で契約している。

 メーカーのATRは、鹿児島に開設したスペアパーツセンターを活用したMRO(整備・改修・オーバーホール)ビジネスの展開や、フライトシミュレーター設置にも意欲を見せている。

 JACの同型機導入により、従来は全便運休していた重整備の際、機体の融通など柔軟に対応できる可能性が出てきた。また、JALは2015年4月から天草エアラインの全便を対象に、コードシェアを始めている。

 九州内での同型機導入や大手のとのコードシェアは、地域航空会社の課題である経営の安定化に貢献していきそうだ。

Tadayuki YOSHIKAWA

最終更新:8月14日(日)10時25分

Aviation Wire