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塚本晋也、戦場を体験してほしい…『野火』アンコール上映への思い 語り継ぐ意味訴える

シネマトゥデイ 8月14日(日)11時48分配信

 昨年7月、戦後70年という節目における塚本晋也監督作『野火』の公開から約1年の歳月が過ぎ、全国27か所における同作のアンコール上映が決定、常々「『野火』は毎年映画館でかかる映画になってほしい」と語っていた塚本監督があらためて思いを語った。

【動画】これからも上映を……『野火』

 映画は作ることも大切であるが、どうやって観てもらうかということも大切だ、と語る塚本監督。「僕らは自主制作の会社なので、映画が出来上がったら次は上映のことも考えないといけない。そのやり方だと、どうしても企画からはじめて最低3年くらいはひとつの映画にかかりっきりになってしまう。そこから世界の映画祭に……とやっていると4年はかかってしまう」と説明する通り、昨年『野火』は全国83の映画館で上映され(5月末まで)、監督はそのうち64のミニシアターに自ら行脚した。

 全国ツアーの総移動距離は2万4,110.4キロメートル。その様子は、現在発売中の書籍「塚本晋也『野火』全記録」(洋泉社)にも詳細に記されている。「僕の映画はミニシアターでかけるのが前提。皆さんへの感謝の気持ちをお伝えしたかった」と切り出した塚本監督は、「どこも館主さんの個性がそのまま映画館になっていて、一つとして同じ場所はない。そんな映画館を回ることができて、幸せな旅でしたね」と付け加えた。

 自分で制作・配給を行うのが塚本作品のスタイルだ。「僕のやり方はあまりにも特殊で他の映画とはやり方が違い過ぎるので、いろんな監督さんとかプロデューサーの話を聞いても役に立つことがあまりないんです」と笑う塚本監督だが、同じく自分で制作、配給を行い、自ら動いて足で稼いできた故・若松孝二監督のスタイルには多大なる影響を受けたという。「役に立つことがあまりにも多いので、関係者の方にいろいろな話を聞きました。若松監督自身が劇場に直接電話をかけたとか、パンフレットに資料性を持たせて1冊の読み物として提供するとか。ひとつひとつが納得することばかりで、影響は本当に大きかったですね」。

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最終更新:8月14日(日)11時48分

シネマトゥデイ