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カジノ構想で「注目の企業6選」 約1カ月で7割上昇した銘柄も

ZUU online 8月14日(日)16時10分配信

秋の臨時国会でカジノ法案成立に向けた動きが進むとの期待から、株式市場ではカジノ関連株への注目度が高まっている。

日本でカジノが合法化されることによって巨額マネーが動くため、収益拡大を狙う企業も少なくないようだ。今回はカジノ関連銘柄を紹介しよう。

■カジノ法案、悲願の成立なるか?

「日本にカジノを」という話が盛り上がったのは2013年から2014年にかけて。東京都では石原慎太郎元知事がカジノ推進派だったこともあり、2013年には猪瀬直樹元知事も「お台場カジノ構想」を提唱した。同じ頃、大阪の橋下徹元市長も大阪経済の起爆剤としてカジノ誘致を主張。安倍首相も「アベノミクス戦略特区」としてカジノの規制緩和を認める方向性を明らかにしていた。

このように「カジノ構想」を推進する背景にはマカオやシンガポールで、カジノを核とした統合型リゾートが経済成長のドライバーを果たしている事例があるからだ。

カジノが日本で合法化されれば、観光の目玉となり、地域も活性化し、雇用拡大にもつながるとの見立てだ。ちなみにCLSA証券では、日本でカジノが合法化され、大規模カジノリゾート施設が2か所できれば、娯楽関連収入は少なくとも100億ドル規模になり、シンガポール(59億ドル)や米ラスベガス(62億ドル)を上回ると試算している。

■日本金銭機械は2013年に史上最高値

日本のカジノ関連銘柄の本命と言われている日本金銭機械 <6418> の株価のチャートから、カジノ関連の盛り上がりを振り返ってみよう。

同社は世界のカジノ向けの紙幣識別機などで実績が高く、カジノ関連銘柄の本命と言われている。カジノ解禁ムードが高まった2013年9月には2398円の史上最高値をつけた。2012年6月安値は566円だったので1年3カ月で株価は4.2倍になった計算だ。

日本金銭機械がその後高値を付けるのは2014年10月の2305円。カジノ法案が2015年の年初からはじまる通常国会に提出されることになったためだ。ただ、2015年の安倍政権は安保の審議を優先したことに加え、2016年には参院選を控えていたこともあって、カジノ法案は先送りとなった経緯がある。

今年7月に参院選というイベントを無事通過したことで、秋の臨時国会を9月末招集の日程で現在要請中だ。先送りになっていた消費税延期の関連法案、経済対策である2次補正予算案、TPP関連法案などとともに、カジノ法案が再審議される可能性が高まっている。

また、東京都に関しても舛添要一元知事はカジノに消極的だったが、小池百合子知事はカジノ含む複合型観光施設誘致に前向きと伝えられていることも好材料だろう。

日本金銭機械の株価も、2014年10月の2305円から2016年7月の安値737円まで68%下げていたが、参院選で自民党圧勝後、カジノ法案の期待感ともに7月22日の高値1284円まで1カ月もしないうちに74%も上げている。

■日本金銭機械以外のカジノ関連銘柄は?

日本金銭機械以外のカジノ関連の本命銘柄も紹介しておこう。まず、「カジノの運営」で名が挙がるのはこの2社だ。

ユニバーサル <6425> は、米ウィン・リゾーツと組んでラスベガスのカジノホテル運営実績がある企業だ。また、パチスロ最大手のセガサミー <6460> は、韓国パラダイスグループと合弁で、ソウル近郊の仁川国際空港から数分の場所にカジノリゾートの実績がある。

日本企業がカジノを運営するとしたらユニバーサル、セガサミーが最も有力とされているのは、このためだ。

■関連機器銘柄で注目の3社はこれだ!

カジノ関連機器で特需が生まれる可能性が高い3銘柄も紹介しよう。

テックファーム <3625> は、日本金銭機械の米国子会社であるJCM社と提携し、カジノ施設向けに近距離通信技術を活用した電子決済ソリューションパッケージサービスを開発している。カジノ施設内にあるスロットマシンなどゲーム機のほか、ホテルやレストランなどでのFelica、Bluetoothなどに対応した電子決済システムを一括提供する。

グローリー <6457> は、硬貨・紙幣処理機で国内シェア5割強とトップを誇る。カジノはもちろんのこと、統合リゾート全体で硬貨・紙幣処理機の需要増加が期待される。

オーイズミ <6428> は、パチスロのメダル計数機の最大手。スロットマシンにはなくてはならない装置で、こちらも需要拡大が期待されている。

■高値掴みにならないように注意

注意すべき点としては、カジノ法案の原案ができてから3年以上が経過していることだ。

もともとカジノ法案の原案は2020年の東京オリンピックを目指して「カジノを核にした統合型リゾートを建築」という企画だった。

今年秋の国会での法改正、特区での規制緩和などが通ったとしても、2020年に大型施設の完成を間に合わせるのは困難との見方もある。東京オリンピックに間に合わなければ、世界に日本のカジノをアピールする格好のチャンスを逸することになりかねない。

こうした状況から、政治サイドでは以前ほど「カジノ構想」が盛り上がっていないようにも思える。カジノ法案通過は楽しみではあるが、高値掴みにならないように注意すべきだろう。

■日本のカジノ構想は世界にも影響

カジノ市場は経済効果が大きいことから、日本だけでなく世界の株式市場で関連銘柄が物色される。カジノを運営する会社は世界的な規模で事業展開する傾向にあるからだ。米国でいうとラスベガス・サンズ、ウィン・リゾーツ、MGM・リゾーツ・インターナショナルなどがその代表だ。香港株では、銀河娯楽集団、新濠国際発展、澳門博彩、金沙中国などがカジノ関連として折に触れ物色される。

ラスベガス・サンズの株価は日本のカジノ解禁が話題になった2014年初に高値を付けたが、その後はさえない展開だった。しかし、日本のカジノ法案への期待が再燃する中、同社の株価は6月安値の42.29ドルから直近高値51.86ドルまで約23%上昇している。

ラスベガス・サンズは日本でカジノが認可された場合、運営する会社の候補として折りにふれて物色される傾向にある。こうしたことから、一つの作戦として米国や中国のカジノ関連銘柄の動きもチェックしておきたい。

平田和生(ひらた かずお)
慶應義塾大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。国内外機関投資家、ヘッジファンドなどへ、日本株トップセールストレーダーとして、市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスをおこなう。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。

最終更新:8月14日(日)16時10分

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チャート

日本金銭機械6418
1538円、前日比+8円 - 9月30日 11時6分

チャート

ユニバーサルエンターテインメント6425
3025円、前日比-40円 - 9月30日 10時58分

チャート

セガサミーホールディングス6460
1435円、前日比+11円 - 9月30日 11時6分