ここから本文です

英EU離脱 通商交渉の難航必至 「日欧」にも影響 全中レター

日本農業新聞 8/14(日) 14:50配信

 JA全中は国際農業・食料レターの最新号で、英国の欧州連合(EU)離脱が通商交渉に与える影響を分析している。EU側は英国に対して、懸念事項である労働者の移動の自由を認めない限り、同国経済に重要な貿易の自由も認めないとの立場から、離脱交渉の難航を指摘。EUは、英国との通商関係がはっきりしない限り、日本や米国との通商交渉を仕上げることも難しいとみて、離脱交渉の先行きに注視するよう呼び掛けている。

 EU域内では、(1)商品(2)サービス(3)資本と支払い(4)労働者――の四つの移動の自由が認められている。英国では移民労働者の急増で、雇用が奪われることなどへの懸念が高まっていると紹介。一方、英国の物品、サービスの輸出額の約4割をEU市場が占有。商品、サービス移動の自由の恩恵を受けている点も指摘する。

 EU側は、英国にEU市場へのアクセス(参入)を認めるには、四つ全ての移動の自由を受け入れることを求めている。英国は労働者の移動の自由を受け入れなければ、EU市場への無税アクセスの恩恵を失うことになることから、離脱交渉は「一筋縄ではいかない」と見通す。

 離脱交渉の規定では、英国が離脱の意思をEUに通知してから2年以内に交渉が終わらなければ自動的に離脱が決まる。ただ、欧州理事会と英国が全会一致で合意すれば交渉は延長もできるため、離脱時期のめどは立ちにくい状況だ。

 英国はEU全体のGDP(国内総生産)の約2割を占める主要国だけに、離脱時期も見通せない中、レターでは「EUの通商協定の先行きも不透明になっている」と指摘。日本、米国との通商交渉も、目標の年内妥結の機運が高まらない中で、英国のEU離脱の政治的混乱の影響が加わり、不透明感が増している状況を指摘する。

 日米にとっては、環太平洋連携協定(TPP)が批准されるまで、両国ともEUとの交渉を本格化しにくいとの見方もあり、TPPの動向にも注視するよう訴えている。

日本農業新聞

最終更新:8/14(日) 14:50

日本農業新聞