ここから本文です

VRやARよりもすごい!プロジェクターが演出する“半仮想空間”

ニュースイッチ 8月14日(日)12時6分配信

夏イベント目白押し。「草花」「音楽」「香り」が融合するデジタルアート

 映像がディスプレーの枠を飛び出し、エンターテインメントの世界を広げている。ゴーグルを通して360度の映像を体感する仮想現実感(VR)システムや、スマートフォン用ゲーム「ポケモンGO」などで使われた拡張現実感(AR)システムは身近になった。VRやAR以上に、架空の映像を現実空間として体験できるものが、プロジェクターを使った最新の空間演出だ。今夏、各地への広がりは勢いを増している。

 デバイスを通して仮想空間を体験するVRやARに対し、プロジェクターを使った空間演出は、映像によって再構築された“半仮想空間”へ人が入っていけることが魅力だ。

 8月末まで東京ミッドタウン・ホール(東京都港区)で開催中の体験型庭園「フラワーズ バイ ネイキッド 魅惑の楽園」では、本物の草花や音楽、香りなどの融合が試みられている。企画・演出したネイキッド代表の村松亮太郎氏は、観客殺到のため中止となった2012年冬の東京駅プロジェクションマッピングの仕掛け人だ。

 会場で最初に出迎えるのは、夏の鮮やかな花々の甘い香り。そして、人の背丈を超える本のページがめくられる度に、南国の植物や鳥などが音楽とともに次々と現れる。

人と関わることで変化

  その先の空間は、人が関わることで変化する。壁に映し出されたクジャクのゆらめく羽に近づくと、近づく人に反応して、その人のための花が開く。

 ハスの葉の下の水中にいるような空間では、ハスの茎に触れると頭上にある葉にだけ波紋が広がる。会場の中央にある半透明の水の塔の中でひまわりのオブジェに触れると、水が弾けて、周囲がひまわりに変わる。

 壁やオブジェに隠されたセンサーから人の動きがコンピューターに送信され、会場全体の映像が制御されており、人がそれを感じることはない。生け花やオブジェ、音楽、香りに満たされて、実物とデジタルとの境目がぼかされているためだ。

 ほかにも今夏はデジタルアートを体感するイベントが目白押しだ。「お台場みんなの夢大陸2016」(東京都港区)では、巨大デジタルアート展「DMM.プラネッツ アート バイ チームラボ」が開催されている。

 暗い会場内の泉に、プロジェクターで映し出された色とりどりのコイが泳ぐ。そこへ足を踏み入れると、歩いた後ろに花が咲き、コイと花によって新しい絵が生まれる。

 アクアパーク品川(同)は、イルカの泳ぐプールの周囲を囲った水のカーテンに映像を投映し、新しいイルカショーを開く。東京タワー(同)やヴィーナスフォート(東京都江東区)では、バーチャル花火大会が開かれている。セイコーエプソンは、ドイツ芸術団体「アーバンスクリーン」と、約90年前に造られた高さ100超メートルのガスタンク内部を演出した

1/2ページ

最終更新:8月14日(日)12時6分

ニュースイッチ