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3億6000万年前、生物はどうやって陸へと上がったのか...両生類ロボットで進化を研究

ギズモード・ジャパン 8月14日(日)22時10分配信

答えは自然界にあり。

最初の生命は海で誕生し、進化ののちに3億6000万年ほど前に初めて陸に上がったといわれています。しかし、当然それほど前の出来事なので「どうやって陸に上がったのか? どう動いてたのか?」を当時の生き物を使って研究することはできません。

そこでジョージア工科大学、カーネギーメロン大学、テネシー大学の研究者たちは、ヒレと尻尾を使って陸も移動するハゼ科の魚をモデルにしたロボットを作って研究しました。その研究結果が科学誌「Science」に発表されています。


動画を見たい方はコチラ。https://www.youtube.com/watch?v=ODFRP6R_Zik



結論としては「尻尾がかなり大事」ということだそうです。我々素人からすると、「そりゃそうじゃね?」と言ってしまいそうになりますが、大事なのは「尻尾がどのように活用されているか」がわかった点。

特に砂の坂を登る際にはヒレだけで登ろうとすると無駄な動きが多く、登る動作の妨げになるそうです。しかし尻尾がその緩衝材として機能することで身体全体を安定させることができるようです。


この研究から得られたデータ自体ももちろん有益なのですが、近年どんどんとロボットを取り入れている生物学のトレンドも象徴しています。

以前であればこういったロボットを作るには部品の一部に非常に高価な物が含まれており、なかなか簡単には手を出せませんでした。しかし、今では研究者たちは3Dプリンターを使うことで非常に低コストでロボットを作ることができます。今回のハゼ・ロボットは1台5万円以下だったとのこと。

ロボットなのであらゆる状況での実験を継続して行なうことができますし、簡単に再現もできます。実験の一部だけを変更して何度も繰り返すこともできます。入手できるデータの量も格段に大きくなるんですね。

実際のハゼを扱って、砂の坂を何度も往復させたり、尻尾を使わせずに動かしたり、水中から陸にあがるという動作だけを繰り返させたり...かなり難しいのが想像できます。あと実際の生き物だと8時間や10時間連続で実験をするなんて到底できないですよね。


今回のハゼの研究は将来、水陸どちらも移動できるロボットの開発にも役立つと考えられています。ロボットに何かをさせようと思ったら、もっとも効率が良い動作は自然界で探せばいいわけです。

人間が頭の中でひねり出した仕組みよりも、40億年かけて自然が作り出した仕組みから学ぶ方が効率的なのは当たり前なのかもしれません。

images by Georgia Tech - YouTube

source: Georgia Tech - YouTube via Wall Street Journal, Science

(塚本 紺)

最終更新:8月14日(日)22時10分

ギズモード・ジャパン