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[インタビュー]「落ちぶれ弁護士」のストーリーファンディングが一日で7千万ウォン

ハンギョレ新聞 8月14日(日)15時25分配信

「生きろ、正義が生きているのを見たい」 市民の風の結果

 「評判の再審弁護士」から自ら「落ちぶれ弁護士」になっていることを告白し、クラウドファンディングの「ストーリーファンディング」に乗り出した弁護士のパク・ジュンヨン氏(43)に、一日で7000万ウォン(約640万円)の後援金が国内外から殺到している。ポータルサイトのダウムでストーリーファンディングが始まってから2年、一日に5000万ウォン以上の後援金が集まったのは今回が初めてだ。パク氏は「韓国社会の温情と正義が生きていることを期待する平凡な塩の風」と語った。

 ポータルサイトのダウムにパク氏のストーリーファンディングの書き込みが掲載されたのは11日午後3時だった。ストーリーファンディングは、サイトにパク氏の人生と公益弁護士としての活動に関する書き込みが載れば、それを読んで共感した読者が自発的に後援金を出す方式をとる。「一つも立派なところがない破産弁護士」と題した書き込みは、これまでパク氏を見守ってきたジャーナリストのパク・サンギュ氏が1回限りの文として書いたもので、サムリェナラスーパー再審請求事件で法廷内外で被害者らとともに孤軍奮闘するパク氏の姿を描き出した。

 パク氏の人生や公益活動の内容がストーリーファンディングに載ると、読者の熱い反応が相次ぐ。

 読者が同日午前零時までのストーリーファンディングに参加して出した後援金は、当日だけで5500万ウォンを超えた。一日の期限を控えた12日午後2時に、後援金に1800人余りが参加し、7023万ウォン(643万円)を記録した。当初、今年11月11日までの93日間、毎週1本ずつ13本の書き込みを掲載して1億ウォン(約915万円)を目標に推進したストーリーファンディングの後援金の目標額のうち70%が、わずか一日もかけずに満たされた。

 ストーリー、ファンディングを主管するダウムカカオも驚いている。

 ダウムカカオの説明によると、ダウムのサイトでストーリーファンディングが始まったのは2014年9月で、これまで一日の初日の後援金額が3千万ウォンを超えたのは2件しかない。ハンギョレが主管した映画製作費用のための「鬼郷プロジェクト」で初日に3900万ウォンが後援され、次に「ニュース打破(タパ)」が主管した映画「自白」の上映のためのプロジェクトの後援に初日に3300万ウォンが集まったのが最高だった。

 ダウム関係者は「普通、前日午前零時にストーリーファンディングの文が書き込まれるのに、パク弁護士の書き込みは午後3時だった。わずか半日で後援金が5千万ウォンを超えたのは初めてのことで、私たちも驚いている。それだけパク氏の人生と公益弁護士活動に多くの人が支持する意思を送ったということではないか」と話した。

 熱狂的な応援について、パク氏は「私もこんなに熱く呼応してくださると思わなかった」と話した。ストーリーファンディングが始まった11日午後、全羅北道全州(チョンジュ)の放送局でインタビューを終えた後、同日夜、水原(スウォン)に来たパク氏は、市民の応援に感激していた様子だった。

 以下は12日のパク氏との電話での一問一答。

ー今日、市民の後援が1億ウォンを超しそうです。

 「私もびっくりしました。私がどこかの機関とか、たとえば3万人の会員を持つニュース打破のような、なんらかの団体に所属しているわけでもないし、かといって熱心に社会活動をしたこともないのに…」

ー市民がこれほど熱い後援をする理由は何だと思いますか。

 「ハンギョレが10日付で『落ちぶれ弁護士がストーリーファンディングに乗り出した理由』という記事を出した後、市民から多くの激励の言葉を聞いた。マレーシアから手伝えることがないかと問い合わせのメールを送ってくれた人までいた。本当に感謝したい。最近はあまりに多くの弁護士が追い込まれているじゃないですか。(検事長や判事出身など数十億ウォン台の受任料を得る「前官不正」が明らかになった)問題のある弁護士が多い韓国社会では、彼らに対する反作用と言うべきか、例えば正義に対する期待感みたいなものがあったのではないだろうか。そうした流れと風があると思います。

ーパクさんの人生に対する市民の激励と期待も大きそうです。

 「単に平穏だった時のストーリーファンディングより、さっきお話ししたように社会のムードの中での反作用が私にはあったようです。こうした傾向と雰囲気に込められているのは、いくら世の中が暗くて正義が消えてしまっても、市民たちが自分と変わらない、別に立派でもない平凡で普通の人がこんな仕事をすることに対する応援だと考えます。(市民が私に)必ず生きろ。それで韓国社会の温情と正義が生きていることを見ていきたい。それを市民たちも確認したいということではないかと思うのです。

 水原駅ホームレス少女殺人事件の無罪判決をはじめ、最近の参礼(サムリェ)のナラスーパー強盗事件の再審決定などに至るまで、「国内最高の再審弁護士」と呼ばれたパク氏は9日、ハンギョレとのインタビューで「完全に落ちぶれ、公益弁護士としての活動を続けるためには、とりあえず生きていかねばならず、それに向けたストーリーファンディングをする」と明らかにしている。

ーパクさんのフェイスブックやストーリーファンディングの後援の書き込みには「塩」という表現が多くされます。

 「それは私が初めて使った言葉ではありません。ハンギョレ土曜版のインタビューの時、イ・ジンスン先生がつけてくれた言葉です。インタビューの最後でイ先生が「『沈黙はやめよう』とパク・ジュンヨンは言う。世の中を動かす力は恵まれた人たちの号令ではなく、小さな人たちの小さな声と、特に立派ではないが世の中を守る塩の力」と言いました」

ーあなたにとり塩とは、どんな意味ですか。

 「世の中を良くする上での光と塩の役割をしようとする意味です。権力を持った人ではなく、小市民がすること。塩は私たちが一般的に接することができるじゃないですか。同時に味を出す役割もある。そしてすべての人に必要なものです。例えば、宝石は貴重で価値もあるというけど、塩は珍しくはないが、時には宝石より価値があるものですよね。私も、私を激励して後援してくれる市民の方々も、誰もが塩です。

水原/ホン・ヨンドク記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:8月14日(日)15時25分

ハンギョレ新聞

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

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昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。