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Ingressユーザーって、ポケモンGOのことをどう思ってるの?(仲は悪くないの?)

ITmedia ビジネスオンライン 8月15日(月)6時10分配信

●新人記者が行く:

 アラフォーの鬼編集者に囲まれつつも、毎日必死で記事を書いている新人のスズキとアオヤギ。元高校球児で“史上最強の応援団長”の呼び名を持つスズキと、家にいるのが何よりも好きな女オタクのアオヤギ。平成生まれの2人が「最近気になること」に突撃していきます。

【“Ingressの達人”のポケモンGOのレベルは!?】

青柳 「Pokemon GO」(ポケモンGO)、流行ってますね。鈴木さんもバリバリやってますか?

鈴木 今はレベル7になったよ。そういえばポケモンGOって、同じくNianticが作った「Ingress」(イングレス)というゲームをベースにしてるんだよね。僕はIngressの方は3日坊主で終わってしまったんだけど……Ingressのプレイヤーの人たちは、正直ポケモンGOのヒットに対してどういう気持ちを抱いているんだろう?

青柳 確かに……「ポケモンGO新規め!」「オレたちの領土を荒らしやがって!」と苦々しく思っているかもしれませんよね。

鈴木 そもそも、IngressとポケモンGOって似てるのかな? どっちが難しいんだろう……。

青柳 ちょっと“Ingressの達人”に会ってきます!

●ポケモンGOの前身ともいうべきIngressとは?

 7月22日のリリース以降、爆発的にヒットしているポケモンGO。ゲームを開発・運営しているのは、Googleの社内ベンチャーからスタートした企業・米Nianticだ。Nianticは、まず位置情報ゲームIngressで大きくその名を知られることになった。

 2013年12月に正式版がリリースされ、14年7月のiOS版公開で注目されたIngress。ダウンロード数は1400万を突破、世界200以上の国でプレイされている。最もプレイヤー人口が多いのは本家本元の米国だが、日本はそれに次ぐIngress大国の1つだ。

 Ingressは現実世界がマップになっていて、プレイヤーが青と緑の2陣営に分かれて競い合う“陣取り合戦”がメインのゲームだ。陣地は、「ポータル」と呼ばれるスポットを3地点結ぶことで作れる。

 今回はIngressの古参プレイヤー、irmare(イルマーレ)さんに話をうかがった。もちろんこの名はハンドルネームで、40代の日本人男性。Ingressユーザーのことを「エージェント」と呼ぶが、irmareさんは都内で会社員をやっている“表の顔”と、東京・西新宿を舞台に活躍する敏腕エージェントであるという“裏の顔”を持ち合わせている。

 irmareさんは、“日本で一番早くレベル16(最高レベル)になった紳士”。Ingressの公式イベントでスピーチをしたり、ラジオで出演したりしたこともある。Ingressの達人は、ポケモンGOに何を思うのか?

●最初期のIngressは「ここはアイツのシマだ」

青柳: irmareさんのIngress歴を教えてもらえますか。

irmare(以下、イル): Ingressを始めたのは13年1月21日です。それまでは釣りを趣味にしていて、ゲームはほとんどやっていませんでしたね。ニュースサイトでたまたま見かけて、「Googleが作っているって面白いな」と思って遊び始めました。そうしたらのめり込んでしまって。1~2カ月でレベル8に、7月19日にはレベル16(最高レベル)になりました。

青柳: 日本で初めてのレベル16に到達した人。つまり、その時点での“日本最強”だったわけですよね……1日のプレイ時間はどれくらいだったんでしょうか。

イル: 1日に1~3時間ですね。そのころは自転車通勤をしていて、朝と夜の通勤時間に集中してやっていました。今は筋トレにハマっていて、実はIngressからちょっと離れています。1日に10~30分くらいですね。

青柳: それは“離れている”とは言わないのでは……? 初期のIngressは、どういった状態だったんでしょうか。

イル: iOS版が出るまではそこまでプレイヤーが多くはなかったので、お互いの家や通勤ルートはバレバレ状態だったんではないでしょうか。Ingressは敵対チームのユーザーが行動するとメッセージが出てくるので、かなり相手を意識するんですよね。「このエリアはアイツのシマだ」といった縄張り意識も強かったですし、「このエリアを支配しているエージェントが会社から帰ったので、攻撃するなら今がチャンス」といった判断もありました。

青柳: やくざ映画みたいですね。

イル: そうかもしれません。でも、iOS版が出てからは、ユーザーが大きく増えましたから、「あのエージェントがすぐそばにいる!」ということは少なくなりました。

●Ingressは“ウロウロ歩く”ポケモンGOは“歩かない”?

青柳: irmareさんは、ポケモンGOはプレイしているんですか?

イル: あんまりしてないですが……プレイヤーレベルは25になりました。最高はCP1914のシャワーズです。

青柳: ……め、め、めっちゃしてるじゃないですか!

イル: ええ!? ああ……すみません。Ingressに一番ハマっていたときは1日3時間くらいプレイしていたので。ポケモンGOは1日に30分から1時間なので、自分の中では「あんまりしていない」という気持ちなんです。Ingressと重ねると「こうすれば効率が良さそうだ」ということがなんとなく分かるので、レベルもどんどん上がっていきますし。

青柳: なるほど……? プレイしてみての率直な感想を教えてください。

イル: Ingressは、陣地同士をつなげるために、常に歩き回る。陣地を作るのが楽しいゲームです。“これまで行ったことがない場所”に行ってみるのも重要になってくる。一方、ポケモンGOはたくさんの種類のたくさんのポケモンをゲットすることが目的で、実は歩く必要性が薄いなと思いました。

青柳: ポケモンGOは「歩きスマホが多くなる」と批判されていますが、実は歩く必要性が薄い?

イル: ええ。Ingressは“ウロウロ歩く”んですよ。ポケモンGOは歩くというより、ポケモンがよく出る場所に“行く”という感じで、巡回する必要がない。しかもポケモンを捕まえるために立ち止まりますからね。開発元が同じでも、どっちがどっちのゲームをプレイしているかはすぐに分かります。

青柳: プレイしている人たちの違いは感じますか?

イル: Ingressは30歳前後のエージェントが多かったような気がします。ポケモンGOのユーザーは……日本人のほぼ全てじゃないかと思うくらい、幅広いですね。Ingressは定期的に大きなイベントが開かれてエージェントが集結するんですが、ポケモンGOの場合“毎日大規模イベントが行われている”と感じるくらい人が多い。夜もずっと課金アイテムのルアーモジュールが使われているんですが、いつ寝ているんでしょうか。

 そういえばご存じかもしれませんが、ポケストップはエージェントが申請したポータルを元にして作られているんですよ。ポータルは自分もかなり片っ端から申請して、297カ所を受理してもらいました。ポケストップの中には、自分が適当につけてしまった名前のままで登録されているのもあって、ちょっと申し訳ない気分になりますね……(笑)。

●IngressとポケモンGO、どっちが面白い?

青柳: ズバリ聞きますが……IngressとポケモンGO、どちらが面白いですか?

イル: それはIngressですね。Ingressの方が、ゲーム中でやることが多くて好きです。ポケモンGOはシンプルで分かりやすいけど、Ingressほど楽しんではいません……。モンスターも、実はピカチュウしか分からないし。

青柳: えっ。ピカチュウしか知らないんですか。

イル: はい。他のポケモンは捕まえるたびに「へえ、そんな名前なんだ……」と思う程度。「ゼニガメが出たぞ!」で大騒ぎになっている海外の動画を見ましたが、ゼニガメの何がすごいんですか? バトルで弱いじゃないですか。

青柳: うううっ、ゼニガメはゲーム版「赤・緑」の中で最初に選ぶパートナーキャラクターで、ヒトカゲ・フシギダネ・ゼニガメと3匹そろって“御三家”と呼ばれるポケモンなんですよ~! 多くのプレイヤーにとって初めての冒険の“相棒”で、強い思い入れがあって……(このあとポケモン語りが続くので、省略)……すみません、質問に戻ります。irmareさん以外にも、ポケモンGOをやっているIngressユーザーはいますか?

イル: ほとんどみんなやっていますね。今はポケモンGOを重点的にやっていて、Ingressは1日に10~30分程度になっているけど、「いつかはIngressに戻ると思う」と言っているのをよく聞きます。自分もプレイヤーレベルをマックスにしたらIngressに戻るつもりです。

●ぶっちゃけ、ポケモンGOユーザーをどう思ってますか?

青柳: IngressとポケモンGOは同じ情報をもとにしているので、プレイする場所が重なることが多いです。Ingressを昔から遊んでいるプレイヤーは、ポケモンGOプレイヤーに対して悪感情を抱いたりしないんでしょうか。俺たちの遊び場にズカズカ入ってきやがって、というような。

イル: いや、少なくとも自分の周りでは、全くありませんね。自分の望みは、Nianticが経営的に存続してもらうことなんです。Ingressをやっている人たちは、みんなそう思っていたと思う。今回のポケモンGOがたくさんのユーザーを獲得して成功したことで、Nianticの収益が上がることがうれしい。

青柳: ポケモンGOには課金要素がありますが、Ingressにはなかったんですか?

イル: ほぼありませんでした。コラボグッズなどは発売されていましたが、ゲーム単品としては全くペイできていなかった。自分は今ポケモンGOに2万5000円くらい使いましたが、この課金は“今までの恩返し”です。Ingressという面白いゲームをたっぷり遊ばせてもらって、お世話になっている。その分、ポケモンGOも応援したいですね。

青柳: 最後に1つお聞きしていいでしょうか。1日に1~3時間もプレイするって、かなり人生の比率として大きい気がするんです。「Ingressに出合っていなかったら、この時間にこういうことができたんじゃないか……」と後悔することはありますか?

イル: 全くないですね!(即答) 1日のうちの“余暇の時間”を何に使うかなんですよ。Ingressにハマる前は釣りやテレビに使っていた時間を、Ingressに使っていただけ。どんなものでもそうですが、やりたいからやっているし、やりたくなくなったらすぐにやめる。Ingressには、楽しい思いをさせてもらっています。

青柳: ありがとうございました!

最終更新:8月15日(月)10時59分

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