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日本の新しい省エネ政策、「3つの柱」でエネルギー需要削減へ

スマートジャパン 8月15日(月)11時10分配信

 政府が定めた日本の2030年のエネルギーミックス(電源構成)では、エネルギー需要を2013年度実績比で13%削減することが前提となっている。経済成長を促す一方、同時にあらゆる分野で省エネ施策を進め、原油換算で5030万kl(キロリットル)に相当するエネルギー需要の削減を図らなくてはならない。

 経済産業省 資源エネルギー庁は2016年8月9日に開催した総合資源エネルギー調査会で、こうした将来のエネルギーミックスの達成に向けた今後の新たな省エネ政策の方針を議論した。

新政策を成す3つの柱

 現在の国内の省エネへの取り組み状況を見ると、産業・業務部門については、エネルギー消費量が減少する一方、GDPベースで年平均1.67%の改善が求められるエネルギー原単位の改善は停滞している。これは省エネ法の特定事業者(産業・業務部門)についても、同様の状況だ。

 そこで新たな省エネ政策では、企業の自発的な省エネへの取り組みや省エネ投資を引き出し、原単位の改善が収益拡大へとつながるような施策の実施を検討する。これに向け、新政策の柱に据えるのが「エネルギー原単位の改善」「エネルギー管理の単位の拡大」「サードパーティの活用」の3テーマだ。省エネへの取り組みと収益の拡大の相互的な好循環を創出し、経済成長と省エネを両立させていく狙いである。

ベンチマーク制度を拡充

 原単位改善では、省エネルギー法に基づくベンチマーク制度の指定業種拡大に向け、インセンティブの付与などを検討する。ベンチマーク制度は、業界ごととに原単位目標(ベンチマーク)を設定しているもので、現時点では全業種の53%をカバーしている。今後2018年度中に7割を制度の対象とする計画だ。

 この他に2016年度から開始した「事業者クラス分け制度」の実効性向上に向けた施策や、原単位改善を後押しするため、省エネ量だけでなく原単位改善に着目した補助金制度の拡充も検討していく。

現場の実態に合わせた省エネ支援策を

 現行の省エネルギー法では、事業者単位での省エネを評価・報告する仕組みになっている。地縁的一体性が認められ、かつ事業者間で省エネ法上の義務を負うことについて合意がある場合などは、特例としてエネルギー管理義務を他事業者が行うことができるが、非常に限定的な制度になっている。

 そこで「エネルギー管理単位の拡大」では、事業者単位ではなく、サプライチェーンやグループ会社単位など、エネルギー管理の実態に合わせた省エネが促進されるような評価・支援の仕組みを構築していく方針だ。

中小企業・消費者の省エネに向けて

 3つ目の柱となる「サードパーティの活用」がターゲットとするのは、中小企業や消費者の省エネだ。省エネ法による直接的な規制がおよびにくい中小企業や消費者については、これまでトップ ランナー基準により個々の機器の省エネ性能の向上を促し、こうした機器が買い替えなどで導入されることで省エネを進めてきた。しかし、より直接的に中小企業や消費者にアプローチできるサードパティを活用し、より効率的に省エネを図ろうという狙いだ。

 具体的なサードパーティ活用の例の1つが、「ZEHビルダー」制度だ。これは2020年度までに住宅の過半数を「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」化すると宣言した工務店やハウスメーカー、設計事務所をZEHビルダーとして認定し、こうした企業が建設した住宅には補助金を交付するという制度である。

 ZEHビルダーの他、エネマネ事業者やエネルギー小売事業者もサードパーティとして挙げられる。今後はこうしたサードパーティの活用を広げていくための支援制度の充実を検討していく方針だ。

最終更新:8月15日(月)11時10分

スマートジャパン