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サカナクション山口、青がテーマの展示イベントに参加「匂いを音楽にしたい」

音楽ナタリー 8月15日(月)19時48分配信

8月13日に東京・SHIBUYA TSUTAYA 7F SHELF67で行われた「blue art bar」オープニングイベントにおいて、サカナクションの山口一郎が、雑誌「BRUTUS」の西田善太編集長、デザインエンジニア / ディレクターの渡邉康太郎氏と共にトークショーに出演した。

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「blue art bar」は、プレミアムジン「ボンベイ・サファイア」の魅力をPRするため、8月28日までの期間限定でSHIBUYA TSUTAYAにて開催される展示イベント。会場では本商品のアイコンカラーである「青」をテーマに山口、西田、実業家・遠山正道、東京大学名誉教授・小林康夫といった4名がセレクトした私物が展示されると共に、来場者がボンベイ・サファイアのカクテルを味わうことができる。なお山口は今回の展示品としてレコード、アイヌ文化の書籍、セットアップ、ツアー衣装、香水を提供した。

トークショーでは、山口らが自身の展示物にまつわるエピソードを掘り下げて語り合う。まず西田はイベント前に聞いて強く興味を惹かれたという、山口の「香水と音楽は似ている」という考えについて言及。山口は「匂いって音楽と一緒で目に見えないものじゃないですか。例えば何もない真っ白な空間にジャズが流れていたら、その空間はジャズの雰囲気に支配される。人の気持ちも音楽によって左右されると思うんです。匂いも音楽と同じで、何もない空間にジャスミンの香りがしたら、気持ちはジャスミンの香りに引っ張られる。匂いと音楽は性質として似ているんじゃないかなと思っていて、いつか匂いを音楽にできないかなと。それができれば音を匂いにすることもできると思うので、チャレンジしてみたい」と改めて説明すると、これを受けて西田は「香りとか音って人の記憶にけっこう入り込むもの。すごく面白い試みだと思う」と絶賛した。

またお気に入りだというブルーインクの万年筆を展示しているため、仕方なく黒のボールペンを使って仕事をしているという西田は「黒い色で書くよりも、青い色で書いたほうが(アイデアが)広がる気がするんですよね」とコメント。彼に「曲を書くとき、ペンを使うとしたら何色ですか?」と尋ねられた山口は「黒ですね」と答えたのち、「僕は歌詞を書くときにIllustratorを使うんですよ。カットアップみたいにつなぎ合わせたりとか、1曲できるまでに70パターンぐらい作るので、言葉の地図みたいになるんです。有力な文字はサイズを大きくしたりとか」と明かす。この工程に西田は「そのプロセスって映像化されていないの?」と興味津々。「そのまま小説を書いちゃえばいいのに。Illustratorで作った形のまま出版しちゃえばいい!」と力強く勧めていた。

さらに西田の「Illustratorを使いこなせた?」という質問に山口は「父親が彫刻家で、木彫の表札みたいなものを作っているんです。僕はそのアルバイトとして木板に下絵を描いていて、そのときにIllustratorを覚えました」と回答。「今はイラストではなく言葉に使っていて、歌詞も書きながらデザインしていくんです。パッと見たとき文字自体はそんなに好きな言葉じゃなくても、フォントを変えるとその言葉が好きになったり。曲はメロディというかリズムが先で、それに言葉を付けていくんですけど、たまにリズムが意味を上回る瞬間があるんです。意味なんてどうでもよくなる、そういうときが一番気持ちいいですね」と、貴重な制作秘話を語る場面もあった。

「blue art」の特設サイトでは、山口をはじめとするイベント参加者へのインタビューが掲載されている。こちらもぜひチェックしよう。

※記事初出時、本文に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

山口一郎 コメント
「blue art」の展示について
僕は釣りが好きなので、最初に思い浮かんだ青は海の深い青でした。川だったり海だったり、景色の中に必ず青がありますよね。でも自分の持っている物の中で青い物となるとなんだろうと考えたときに、自分の生活の中心は音楽なので、ライブの衣装だったりレコードだったり、音楽に関係する青い物が身近にあることにどんどん気付いて。それで今回の展示物のラインナップになったという感じです。自分の核となる部分で青い物と関わりがあったんだな、と再確認できました。

青色を意識するようになったきっかけ
最初に意識して青色に触れたのは中日ドラゴンズのキャップですね。自分らしさを出した初めてのものが中日のキャップで、それが偶然青だったんです。

自分の中にある「青」のイメージについて
たぶん僕は14歳から25歳までの間に感じたことだったり、観たものだったり、恋愛だったり、その蓄積だけで今の音楽活動をやっている気がするんです。昔は簡単に泣けたのに、25歳以降はなかなか感動できなくなって、なぜか泣けなくなったんですよね。14歳から25歳までが僕のモラトリアムだと思っているんですけど、そのモラトリアムの時代を色にするとやっぱり青なのかなと。だから自分が作る歌というものの中に濃い青だったり、薄い青だったり、感情の起伏の揺れとして青の濃淡があるのかもしれないです。モラトリアム時代の僕は感受性が豊かだったんだと思います。当時は頭の中の湯船にどんどんお湯が溜まってこぼれていって、そのこぼれたものが表現になっていったけれど、今は湯船の中に何かを溜めるために必死になっている。前はボタン1つで勝手にお湯が出るように、どんどんいろんなことがあふれていったんですけど(笑)。

サカナクションの楽曲と「青」の関連性
青色と言われて真っ先に浮かんだのは、夜釣りをしているときに日が明けてきて、黒かった海からだんだん色が見えてくるときの深い青、藍色のような色でした。サカナクションの楽曲も、僕らはいつも夜をテーマにしてきたし、僕が夜にしか曲を書けないという性質の人間なので、ジャケットだったり、ライブの演出の照明だったり、そこに青色を使うというのは自然な流れだと思います。

最終更新:8月16日(火)11時54分

音楽ナタリー

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。