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【戦後71年】あのベテラン映画監督が全国24,000kmを行脚中~『野火』~

dmenu映画 8/15(月) 11:35配信

今夏、『シン・ゴジラ』の勢いが止まらない。『エヴァンゲリオン』シリーズの庵野秀明総監督ならでは、いたるところに小ネタが仕込んであり、それを確認しようとリピーターが続出中だ。特に「あれは誰?」と話題になっているのが、ゴジラ解明に挑む教授陣。写真のみで登場する牧悟郎教授役(故・岡本喜八監督!)しかり、みんな映画監督。俳優陣を喰う存在感と説得力に、「さすが!」の声が上がっている。

中でも目を引くのが、「巨大不明生物特設災害対策本部」に参加する、間准教授役の塚本晋也監督。常に首にタオルをかけ、「分かった!」の一言で事態を好転させていく、あの人だ。映画界でのはみ出しっぷりも際立つ塚本監督に、異端の学者はまさにハマり役なのだ。

塚本監督は、人間が鉄になる異色SF映画『鉄男 TESTUO』(89)で世界中を熱狂の渦に巻き込み、海外でもその名が知られる日本の映画監督の一人である。その作品群のほとんどが、製作・監督・脚本・撮影・出演・編集と一人で何役もこなし、衣装や特殊造形などはボランティア・スタッフの力を借りるという自主製作スタイル。ハリウッドからの誘惑にも安易に乗らず、己の道を突き進んできた。

その真骨頂と言えるのが2015年夏に公開した『野火』(14)だ。大岡昇平の同名小説が原作で、太平洋末期のフィリピン戦線での日本軍の末路を赤裸々に描いたもの。20年来の宿願だったが、凄惨な内容から出資社がつかず、父親の遺産を使って製作。そのまま配給・宣伝も自分たちの手で実施して、戦後70年にぶち当てた。

だが、かつかつの状態で製作した作品に、広告費をかける余裕はなかった。ならばと監督自ら宣伝塔となって全国行脚。訪問した劇場数は、2015年6月から2016年5月の約11カ月間で34都道府県の64館。総移動距離は約2万4110 km。これは、地球5分の3周にあたるという。新人監督ならまだしも、1960年生まれのベテラン監督の宣伝手法としては異例……だが、これぞ自主映画魂!

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最終更新:8/15(月) 11:35

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