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D-BOYS山田裕貴の葛藤「イケメンよりカメレオン」【動画付き】

オリコン 8月15日(月)8時0分配信

(C)ORICON NewS inc.

 2011年に『海賊戦隊ゴーカイジャー』のゴーカイブルー役で俳優デビューを飾った、俳優集団D-BOYSの山田裕貴(25)。翌年には『D×TOWN』(テレビ東京系)で初めてドラマ主演に抜てきされ、14年公開の映画『ライヴ』で映画初主演、デビューから約5年間に映画『ホットロード』『ふきげんな過去』、ドラマ『Nのために』など次々と話題作に出演した。今後の活躍に期待がかかる若手俳優の一人だが、本人は“イケメン俳優”のイメージ払拭に燃えている。

■野球を辞めて父を超える

 中日、広島で活躍した元プロ野球選手・山田和利を父親に持ち、小中学校は硬式野球部のリトルリーグに所属。懸命に白球を追いかける日々を送っていたが身近に越えられない大きな壁を常に感じていた。大好きな野球を高校で辞めるが、そこである決心に辿り着いた。

 「高3年の時に通っている高校が甲子園に出場したんです。応援のため会場に行ったのですが、試合が始まってもないのに涙が止まらなかった。『なんで野球を続けなかったのか。辞めなかったら同じユニフォームを着て一緒に戦っていたかもしれない』。そう思ったら泣いていた。父親に言われたんです。『俺は野球をやれとは言っていない。ただ、お前がやると決めたことをなぜ最後まで続けなかったんだ』って。なので、次にやることは絶対に最後までやりとげようと決めた」。

 幼い頃から父親の勇姿をテレビで観ていた。テレビに映ることだったら父親を越えられるかもしれない――そう心に決め、俳優の道を進むことを決めた。高校卒業と同時に地元・愛知を離れ、単身で上京。養成所で約2年、下積み生活を送った。

 2011年に転機が訪れた。『ゴーカイジャー』をきっかけに存在を知ってもらえ、数多くの作品に出演できるようになった。デビュー作も山田にとって忘れられないも作品となったが、15年3月に公開された人気少女漫画原作の映画『ストロボ・エッジ』が俳優人生のターニングポイントだった。

 「僕はもともと人間味があふれたお芝居をやりたかったんです。(同映画の)廣木隆一監督には人間の感情をしっかり表現できる役の生き方を教わった。人間は泣いている時でも笑っている時がある。悲しいシーンだから悲しい顔をしていればいいんじゃないって。すごく影響を受けましたね」。

 同映画で主演を務めた福士蒼汰(23)との出会いも大きな収穫だった。「蒼汰はすごく忙しいはずなのに仕事について楽しそうに話すから『こいつ無敵だな』と思う。この前、一緒にメシに行って印象的だったのが『なんで俺なんかが良いと言われ、作品に出してもらえるのかわからない。普通に生きているだけなのに』と言っていたこと。普通に生きていることこそが、その人の魅力を出せる。そのままの自分でいるほうがいいと思ったんです。なので『ストロボ・エッジ』以降は自分も取り繕うこともやめました」。

■“イケメン俳優”のイメージを払拭したい

 俳優デビューから約5年。テレビ、映画での主演を経て、8月19日から開幕する『宮本武蔵(完全版)』(東京芸術劇場 シアターイースト)で、ついに舞台初主演を飾る。脚本は劇団「五反田団」を主宰し、劇作家・シナリオライター・映画監督とジャンルを超えて多才に活躍する前田司郎氏。山田は型破りな宮本武蔵を演じることになる。

 前田氏とのつながりは、昨年2月でのワークショップだという。なぜ、ワークショップに参加しようと思ったのか? そこには戦隊ヒーロー作品の出身者としての宿命なのか、“イケメン俳優”と呼ばれることへの葛藤があった。「現場で『歌っているの? 踊っているの?』と聞かれることがある。それがすごく嫌なんです。すげぇ嫌。どうしたらいいかと考えて、道場破りとして映画監督さんのワークショップに乱入して、どうにかして見られる目を変えたかった」。

 ワークショップは山田にとっても興味深い内容だったが、前田氏にとってもイケメンへの偏見が変化したきっかけでもあった。舞台のコメントとして、前田氏はこう述べている。「山田くんがワークショップに来てくれたとき『どうせイケメン芝居するんでしょ?』と思っていたが、馬鹿みたいな芝居をセンスよく真面目にやってくれた。イケメンを少し見直した」。山田も言う。「僕は『イメージ』というのがすごく嫌い。イメージだけで見てほしくない。だからこそ、今さらけ出すようにしている」。自ら払拭のため行動を起こした山田。舞台ではいい意味で世間を“裏切る”ことに挑む。

 取材の最後に目指す俳優像を聞いた。「僕はずっとカメレオン俳優と呼ばれたくてこれまで俳優をやってきた。とにかくいろんな現場と作品に顔を出す。ジャンル問わず、どこにでも顔を出す俳優になりたい」。そう語る目は揺るぎない。「もっと上を狙えよって思うかもですが日本アカデミーの助演男優賞がとりたい。なぜか昔から悪者や主人公を守って死ぬ役のほうが好き。僕は誰かのために動いているほうがいいです。で、知らない内にウィキペディアの出演作品がとんでもないことになっているのを目指したいですね(笑)」。

(C)ORICON NewS inc.

最終更新:8月15日(月)8時0分

オリコン