ここから本文です

シャープ、鴻海出資完了で戴体制動き出す 高橋興三社長は12日付で辞任

日刊工業新聞電子版 8月15日(月)15時0分配信

ディスプレー再建が焦点に

 シャープは台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業から3888億円の出資受け入れを完了し、鴻海グループ副総裁の戴正呉(タイ・セイゴ)氏が新社長に就き、新しい経営体制を発足した。22日に社内で経営方針を説明し、10月末にも発表する経営再建計画の策定を急ぐ。鴻海主導の経営再建と停滞していた投資計画が本格的に動きだす。

 出資完了を受けてシャープは高橋興三社長が12日付で辞任した。13日の臨時取締役会で戴新社長が就任し、鴻海日本法人社長の高山俊明氏ら計4人の新取締役を加えた経営体制を発足。戴新社長は「104年の歴史を誇る世界的な企業の再建に向け、責務を全力で果たす」と表明した。

 シャープと鴻海は4月に出資契約を結んだが中国当局の独占禁止法審査が長引いていた。8月11日に中国当局の承認を得て、各国の審査が全て完了。鴻海が12日に出資金を払い込んでシャープ株式の66・07%を取得、買収手続きを完了した。

 今後、経営再建の焦点は早期黒字化と成長投資の実行に移る。出資によりシャープは3月末から続く債務超過を解消、主要2銀行から計3000億円の新規融資枠を得て資金繰り不安も払しょくした。

 ただ16年4―6月期決算は前年同期比3割以上の減収で、274億円の当期赤字を計上した。鴻海と重複が多い中国事業の人員再配置やグローバル7000人規模の人員削減も検討しており、家電、複写機など黒字事業にもリストラが及ぶ可能性がある。

 黒字事業の社員からは「現場の努力が報われず、白ける」との声も漏れ聞こえ、社内の士気低下が懸念される。まずディスプレーパネルと太陽電池の赤字体質を解消することが必要だ。

 特にディスプレーパネルは出資額の大半を投じて新型パネル量産を目指す最重点事業。中韓勢が生産増強を進め、市場環境は厳しさを増している。鴻海の資金力や調達・販売網を後ろ盾に再び同事業に挑むが、行く手にはいばらの道が続く。

最終更新:8月15日(月)15時0分

日刊工業新聞電子版