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VR・ARは儲かるのか? 新価値創出に動き出した企業の本気度

日刊工業新聞電子版 8/15(月) 16:43配信

 2016年は「VR(仮想現実感)元年」と言われる。韓国サムスン電子や米オキュラスなどがVR専用端末を相次いで投入しているためだ。これに合わせてVRで新たな価値を見いだそうと、情報サービス各社が企業や一般消費者向けにVRを活用したシステムの提供を開始している。だが、まだ一般的な認知度が進んでおらず、どう普及させるかが課題となっている。(松沢紗枝、編集委員・斉藤実)

■AR身近に

 今夏、全米を熱狂させ、日本など各国の話題を一気にさらったゲームがある。スマートフォン向けゲームアプリケーション(応用ソフト)「ポケモンGO」だ。VR技術の一つとされるAR(拡張現実)を活用しており、この登場によりVR・ARが一気に身近なものになった。訴求しやすい環境が整いつつあり、各社もビジネスチャンスの広がりを期待している。

 一方、企業向けで活況をみせるのが、ARと眼鏡型ウエアラブル端末を組み合わせた各種保守業務の支援システムだ。従来、同様のシステムはタブレット端末を活用したものが多かった。端末だとマニュアルなど作業に必要な大量の情報を手軽に持ち運べる。さらにネットワークとつなぎ、本社など遠隔地にいる管理者や指導者がリアルタイムに指示できる利点もある。

 だが端末を持ちながらの作業は煩雑になりがちだった。眼鏡型は両手が空くため、端末画面に表示された内容を確認しながら作業を進められ、より業務効率が高まる。NTTデータや富士通、新日鉄住金ソリューションズなどがサービス化し提供している。

■リズム体感

 NECソリューションイノベータ(東京都江東区、杉山清社長)は、違ったアプローチでVRを活用している。同社が試作したのは、VR上で生産現場を再現できる作業検証・訓練システム。ヘッド・マウント・ディスプレー(HMD)を装着すれば目の前に生産ラインが現れ、VR内で部品をつかんだり、部品を移動させて放したりできる。

 試作機によるデモでは作業訓練機能をアピールする。業務用ゲーム機「太鼓の達人」の要領で作業できるのが特徴で「熟練者による作業のリズムを疑似体験できる機能を実現した」(NECソリューションイノベータ)と説明する。

 具体的には、HMDを通して見える映像の下方に、作業動作のタイミングを示す記号が右から左に流れるように帯状に出てくる。太鼓の達人のように記号に合わせて決められた動作を繰り返すことで、熟練者の作業のリズムを体感できる。

 「生産ラインを作る準備段階から作業を訓練したり、初心者が学習したりするのに有効」(同)と効果を強調する。実用化の時期は未定としている。

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最終更新:8/15(月) 16:43

日刊工業新聞電子版

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