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ロッテ唐川、怪我を経て掴んだ確信 「試行錯誤の延長線上に今の僕がある」

Full-Count 8/15(月) 19:12配信

5年ぶりの完封勝利は「なんか寂しい」、復活への道を歩む27歳

 強い想いでマウンドに上がった。8月11日の楽天戦(QVCマリン)。唐川侑己投手は最後の打者をレフトフライに仕留めると、グラブをポンと叩いた。それは2011年6月28日のファイターズ戦以来、実に5年ぶりの完封勝利だった。

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「5年ぶりの完封勝利と言われて、嬉しいかと言われるとそうではないですね。むしろ、なんか寂しいですね」

 充実感はもちろん、あったはずだ。しかし、本人の口から喜びの言葉が出る事はなかった。ここまで紆余曲折を考えると、この1勝で満足するわけにはいかない。もっともっと、やらないといけない。そのような強い決意が感じ取られた。

 11年に12勝5敗。初めて2桁勝利を挙げ、地元出身の若き右腕が、いよいよエースへの階段を駆け上がると誰もが思った。しかし、翌年、右ひじを痛めた事で歯車が狂いだした。この年、それまで8勝をマークしていたが、勝ち星はそこから伸びる事はなかった。13年が9勝(11敗)、14年4勝。昨年は5勝を挙げたものの8月に抹消されると、その後は1軍再昇格を果たすことなく、シーズンが終わった。

大きかった名伯楽との出会い

 チームがCSファイナルステージまで進み、盛り上がりを見せる中での8月以降の空白期間。唐川は自分を見つめ直すことに徹した。ビデオを見た。そして2軍の小谷正勝投手コーチに教えを乞うた。横浜、ヤクルト、巨人などで投手コーチを歴任。数々の名選手を育て上げた名伯楽のピッチング理論は興味深かった。

「投げる動作では上半身と下半身や肩と肘など体の連動が大事。手首を走らせてボールに力を込めるために、どうすればいいのか。どのように体を使う必要があるのか。小谷さんに話を聞いて、時間をかけていろいろと議論をさせていただきました」

 ボールをもっともっと力強く、勢いよく投げるためにはどのようなフォームで、どのように投げる事が必要なのかというメカニックを探求した。その作業に没頭をしていると、不思議と焦りは消えていた。振りやすさを追求して腕を少しだけ下げてみた。ピタリとはまるポイントがあった。大きな発見だった。

「周りの人の考えは別として、自分の中で過去を否定するつもりはない。やってきたことは間違いだったと思っていないし、その積み重ねや、いろいろ試行錯誤した中で、その延長線上に今のボクがある。去年のあの時期はもう一回、しっかりと自分は投手としてどうしていけばいいのかを考えようと思っていた。見つめ直すいい期間だと思って、日々を大事に過ごしました」

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最終更新:8/15(月) 19:12

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