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[社説]慰安婦問題に対する韓国政府の骨抜き姿勢

ハンギョレ新聞 8月15日(月)7時42分配信

 韓国と日本の最大の外交軋轢(あつれき)である日本軍の従軍慰安婦問題は昨年末のいわゆる「12・28合意」で完全かつ不可逆的に解決されたのか?

 7月28日にスタートした「和解・癒やし財団」に合意の柱とされる10億円の癒やし金を日本政府が速やかに拠出することによって、このような疑問が一層膨らんでいる。日本政府が駐韓日本大使館前の慰安婦少女像の撤去問題を前提条件にせず出資金を支払うことにしたのは「不幸中の幸い」だが、これによって慰安婦問題に対する政府の姿勢はより困ることになった。

 最も重要なのは、12・28合意と「慰安婦、原爆被害、サハリン同胞などの3問題は1965年の韓日協定で解決されなかった」という2005年の政府方針との矛盾である。朴槿恵(パククネ)政権は、拠出金を賠償でなく人道的レベルの医療・看護などのための支援金と見ている日本政府とは違い、賠償の性格の資金と解釈している。それと同時に2005年に慰安婦など3問題の未解決原則もそのまま維持されているというあやふやな立場を取っている。

 外交的な軋轢を解消する場合、両国の間に異見がある問題はグレーゾーンにおいて、各自が有利に解釈する方法がたびたび使われてきたが、今回の件はそのような形でやり過ごすには原則を損ねることがあまりに深刻だ。韓国政府は12・28合意で2005年の原則が解消されたのか、でなければ2005年の原則により未解決問題として解決を求めていくのかを現時点で明確に明らかにする必要がある。しかも日本政府は12・28合意で慰安婦問題は完全に解決され、10億円の拠出を契機に「道徳的優位の立場」に立って少女像の撤去を求めるという方針を示していると見られる。

 そのうえ10億円の出資金の性格と合意の後続履行に対する政府の消極的な守りの姿勢も批判せざるをえない。日本側は岸田文雄外相が12日に記者団に資金の用途と少女像問題について説明したが、韓国側は韓日外相の電話会談後にわずか一枚の「外交部報道資料」を出しただけだった。しかも10億円の性格については一言の説明もなかった。

 相手が積極的に自分の立場を説明しているのに対して韓国側も同様に対応しないと、相手の主張と論理が国際社会を支配することになる。原則のない骨抜きの政府が、傷口に塩を塗り続けている。

お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:8月15日(月)7時42分

ハンギョレ新聞