ここから本文です

病に負けず川柳句集発刊 創作25年、入善の大井さん

北日本新聞 8/15(月) 23:18配信

 入善町入膳の会社役員、大井清文さん(62)が川柳句集「朴念酔い桜」を自費出版した。編集作業を進めていた1月に病に倒れ半身不随となりながらも、25年続ける川柳への強い愛着を胸に発刊にこぎ着けた。完成した冊子を手に「川柳の魅力とともに障害があっても元気に生きることができると伝えたい」と話す。 (朝日・入善支局長 吉本佑介)

 大井さんは魚津市内の勤務先で上司に勧められたことをきっかけに創作を始めた。「ミステリー性や意外性があったら面白い」とのめり込み、新聞に投稿し、全国規模の同人誌でも高い評価を得るようになった。2012年に北日本川柳大会で最優秀句賞(北日本新聞社長賞)を受けた。

 成果をまとめ多くの人に楽しんでもらいたいと昨年10月ごろに句集の製作を思い立った。ブラックユーモア調やふるさとの情景を詠んだもの、自虐ネタなど好みの作品選びに没頭していった。

 順調に編集作業をしていた1月中旬、日課の散歩に出掛けようとしていた時に突然倒れた。脳出血だった。命に別条はなかったが、半身不随となった。約3カ月間の入院中、習慣として身に付いた投句を続けることはできたものの、現実を受け入れることは難しかった。

 退院後もショックを引きずり出版を断念しかけたが、妻の裕子さん(58)ら家族の支えを受け、6月中旬に作業を再開した。「自分が頑張ることで同じ境遇の人たちを明るい気持ちにすることができれば」。8月上旬、予定よりも半年近く遅れて完成させた。

 自らのことを「朴念仁」と笑い、タイトル中にも入れた。生きがいだった酒は倒れて以来、一滴も口にせず、体重は10キロほど落ちた。それでも今は、前向きに生きることの喜びを感じている。「川柳は一種のドラマだと思う。これからもくすりと笑えるような“物語”を作っていきたい」と意気込んでいる。

北日本新聞社

最終更新:8/15(月) 23:18

北日本新聞