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五線譜を邦楽譜に自動変換 先端大ベウラン准教授が開発

北國新聞社 8月15日(月)2時56分配信

 洋楽で使われる五線譜を、尺八や箏(こと)などの邦楽器の縦譜に自動変換できるソフトを、北陸先端科技大学院大のラズバン・ベウラン特任准教授(39)=ルーマニア出身、野々市市=が開発した。ベウランさんは外国人として県内で唯一、都(と)山(ざん)流尺八准師範の資格を持つ。邦楽の普及を目指し、洋楽とのコラボレーションが盛んに行われる中、ソフトで取り組みを後押しする。

 音符が並んだ五線譜から、尺八譜に変換する「ShakuViewer」と、箏や三弦、十七弦に対応した「KotoViewer」を開発した。

 尺八譜は指使いが「ロツレチ」の文字で表され、一尺八寸など、尺八の長さで譜面も変わる。ソフトは約20種類の尺八に対応し、楽曲に合わせて一番吹きやすい尺八を探すこともできる。箏のソフトも縦譜にするだけでなく、最適な調弦を選ぶ機能を備えた。

 開発のきっかけは、ベウランさんが4年前、知人のギター奏者、太田真佐代さんとコラボ演奏したことだった。バッハの「G線上のアリア」などのクラシック音楽に尺八譜は無く、手書きでこしらえるしかない。稽古しながら音をアレンジするたびに譜面を書き直す手間がかかった。

 ベウランさんは、五線譜を邦楽譜に自動変換できれば、演歌やポップス、アニメ曲といった幅広い曲を、邦楽器でも手軽に演奏できると考え、専門のプログラミング技術を生かし、ソフトを開発した。

 ベウランさんは2005年に、当時勤務していたスイスで尺八を知り、その音色に魅せられた。同年に先端大で研究員として働くため来日し、翌年の2月から尺八を学んでいる。

 ベウランさんが来日して驚いたのは、自分の演奏で初めて尺八を聴いたという人の多いことだった。衰退していく邦楽に危機感を持ち「邦楽の素晴らしい音色に、もっと親しんでほしい」と思いを募らせる。

 研究者と邦楽奏者、二つの顔を生かしたソフトはインターネット上で無料提供され、邦楽関係者から好評を得ている。邦楽にも多くの名曲があることから、ベウランさんは現在、邦楽譜を五線譜に変換するソフトを開発中で、今年度中の完成を目指している。

北國新聞社

最終更新:8月15日(月)2時56分

北國新聞社