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『初音ミク -プロジェクト ディーヴァ- X HD』と『初音ミク VRフューチャーライブ』を、PS VR発売に先駆けてプレイ! それぞれの違いとは

ファミ通.com 8/16(火) 0:02配信

文・取材:ライター ウワーマン、撮影:カメラマン 小森大輔

●両タイトルで楽しめることの違いを解説
 2016年10月13日発売予定の、プレイステーション4専用VRシステム“プレイステーション VR(以下、PS VR)”。今年、SEGA feat. HATSUNE MIKU Projectから、このPS VR対応のゲームが2作登場する。

 ひとつは、2016年8月25日発売予定の『初音ミク -プロジェクト ディーヴァ- X HD』。同作においては、ソフト発売後に提供予定のアップデートを適用することで、“ライブエディットモード”で作成したエディットデータのライブ鑑賞を、PS VRを用いて行えるようになる。

 もうひとつは、PS VR発売と同時(つまり10月13日)にダウンロード販売される『初音ミク VRフューチャーライブ』。こちらはPS VR専用のコンテンツで、VRならではのライブを楽しむことができる。

 本記事では、ライターのウワーマンによる、両タイトルのプレイインプレッションをお届け。それぞれのタイトルで、PS VRでどんなことが楽しめるのかを紹介しよう。まずは『初音ミク VRフューチャーライブ』のインプレッションから!

●『初音ミク VRフューチャーライブ』この一体感はまさに本物
 まずは、『初音ミク VRフューチャーライブ』(以下、『VRフューチャーライブ』)のインプレッションからお届けしよう。本作についてはすでにプレイリポートが上がっているので、そちらを読んだことがあればササッと下へスクロールしてもかまわないと思われる。ただ、書き手は異なるため、読めば少しくらいは新たな発見があるかもしれない、と未練がましく言っておく。

 さて。今回のメディア用体験会でプレイすることができたのは、先日行われたスペシャル体験会と同じ試遊版。楽曲も同様に『Weekender Girl』(アーティスト:kz(livetune)×八王子P)となっていた。とは言え筆者的にはプレイステーション VRも本作も初体験なので、大好きなこの歌とダンスが見られて、むしろラッキーというところだ。

 ゲームを始める前までは、周囲に大勢のメディアの方もいるし、ちょっと、いやかなり照れくさい感じだったのだが、PS VRとヘッドホンを装着した途端に、そこはライブ会場へと変貌。気づいたら異世界召喚ではないけれど、いつの間にか自分がライブ会場に立っていたではないか!? まあ、いつの間にかっていう部分は、PS VRもヘッドホンもセガゲームスの人に装着してもらったせいかもしれない。

 さて、本作では↑↓←→ボタンでライブを見る際の視点を任意に変更可能。△ボタンで上方と地上の切り替えを行うことができた。ミクさんの目の前の視点では、「案外小さいんだな(身長が)」と彼女のスケール感を改めて認識できて地味に感動してしまった。上方からの視点は、ヘタをしたら足がすくむんじゃないかと思えるほど。珍しい視点からの眺めもよかったが、途中でミクさんがステージ演出で高い位置に移動してきたため、フォローするには必要不可欠なものであった。

 ミクさんが現実にそこにいるかのように感じ、錯覚したのは、右へ左へとカメラを動かしまくって遊んでいたときだ。ミクさんを見失ってキョロキョロしてしまった際、彼女が後方でしっかりとパフォーマンスをしていて、「おお、そこにいたか!」と思った瞬間、唐突にゲームであることやVRであることを忘れて、彼女の存在をリアルに錯覚してしまった。なぜなら、取材対象を見失ってヤバイと不安になり、見つけてホッとするという記者ならではの気分を味わってしまったから。これにはひとり唖然としてしまった。ゲームとリアルを混同するというのは、まさにこのことか。

 そういえば、ミクさんが小さく見えるかなり後ろからの視点もあり、「こんな視点、必要なの?」と考えてしまった。もしかすると、いい席が取れなかった気分を味わうためかなとも思っていたら、セガゲームスの人が「開発チームはいつもここから見ています」とひと言。ああ、開発者ロールプレイで、後方からステージを眺めるのも悪くないと思い直した。もちろん、視点の位置によって聴こえる音響も変化するので、そういった意味では会場のあらゆる場所でライブ体験できるというのはすばらしいことである。

 会場からの視点で思い出したが、本作には自分と同じようにライブを見ている観客が大勢いる。彼らの存在が、臨場感をいやが上にも盛り上げているのは間違いない。サイリウム(コントローラ/プレイステーション Move)を振れという指示を筆者は途中から見ていなかった(ほかのことに夢中で目に入らなかった説)ので、観客の見よう見真似で振っていたのだが、サイリウムを振るたびに会場との一体感が増して、どんどんライブにのめり込んでいく自分に驚いた。

 正直に言うと、最初は「振るだけなの?」とも思っていた。プレイしていない多くの人もそう思っている可能性もある。しかし、実際にいっしょに振るだけで、周囲の観客に合わせて動かしているだけで、だんだん会場と一体になっていく気分になるのだから不思議なもの。気づくと一心不乱にサイリウムを振っている自分がいて、ちょっと思い出し笑いをしてしまった。昔、ファミ通の元同僚たちとシナジーというヘヴィメタルバンドのライブにいったのだが、あまり好きではなかったので周りに合わせてジャンプしていただけだった。しかし、気づくと汗だくになりながら拳を振り上げて汗を流していたことを思い出してしまったからだ。実際に体を動かして遊ぶのと想像するのでは、こうも違うのかと改めて思った次第。

 なお、うまく会場を盛り上げることができればモジュールチェンジなどもあるようだったが、自分のプレイでは無念なことに発生せず。恐らく“パンジー”に着替えると思うので、つぎの機会があれば間近で見てみたいものである。

 たった1曲、1回遊んだだけでVRのおもしろさや可能性をこんなにも感じられるとは、自分でも大いにビックリ。だが、困ったことにこれをどう伝えればいいのか皆目見当が付かない。よく映画とかでも、「これは映画館で見ないと楽しさがわからない」とか言うけれど、本作もまったく同様のパターン。PS VR自体に触れるのも初体験だったせいか、VRに必要以上に感化されている可能性もあるけれど、ぜひともどこかで1度『VRフューチャーライブ』を遊んでみてほしい。そうおすすめしたくなるくらいの体験は、確実にできたと断言できる。

●『初音ミク -プロジェクト ディーヴァ- X HD』ミクさんを愛でるなら断然こっち
 ここからは『初音ミク -プロジェクトディーヴァ- X HD』(以下『X HD』)のインプレッションをお届けしよう。

 PS VRの発売後、アップデートによってライブ鑑賞モードがVR対応になるプレイステーション4版『X HD』。今回体験させてもらったバージョンでは、すでにすべての楽曲がVRに対応していて、ソフトに収録されているどの楽曲でも選んで体験することができた。

 筆者は40mPが好きなので『恋愛裁判』か、いや最近はNeru氏にハマっているので『ロストワンの号哭』か、いやいや電線と夕景の美しい『独りんぼエンヴィー』か、とすぐに結論が出せなかったので、セガゲームスの人に「イカすステージが見られる曲で」とリクエストし、トーマ氏の『バビロン』をチョイスしてもらった。

 まず、本作と『初音ミク VRフューチャーライブ』との大きな違いは、観客の有無。いやまあ当たり前なのだけれど、ここが大きく違う点。『初音ミク VRフューチャーライブ』のほうは、まさにライブといった迫力があるが、観客が大勢いて落ち着かないと言えばその通り。逆に『X HD』のほうはと言えば、ステージによってはミクさんとふたりっきりの空間でライブ鑑賞を堪能できるので、しっぽりと過ごすことができる。ゆえに、こちらは落ち着いた雰囲気でミクさんとのプライベートライブを楽しみたい人向けと言った感じになるのだろうか。

 オーディエンスのいない空間でミクさんとふたりきりとなれば、自然と彼女をジロジロと見てしまいがちだ。筆者など、大勢のほかのメディアさんが見守る中で堂々とミクさんの頭頂部をずっと眺めてしまったほどだ。それはどうでもいいが、『X HD』のライブ鑑賞モードには、楽曲の演奏もミクさんの動きも止めてしまう神機能が備わっている。これは一時停止とか、ポーズ機能とか呼んだりもする機能で、動かないミクさんを永遠に眺めることが可能だ。

 モジュールをあらゆる位置から確認できるため、「コスプレイヤーの皆さんには衣装を作るときにいいかも!」などとロマンシング★嵯峨が言っているとき、筆者は「袖の中もいつの間にか覗けるようになっているなぁ」と感心していた。昔であれば衣服の袖など円錐の底みたいになっていて、中を覗くなど不可能であった。それがいまや袖が再現されているのか! とゲームの進化をミクさんを眺めながら思っていたが、嵯峨の言うことのほうがもっともだと思う。

 そういった事情もあり、ミクさんを思い切り愛でたい人はぜひとも本作のライブ鑑賞モードをおすすめしたい。もう本当に間近で愛でられるので、最高のほかに言葉を思いつかない。

 それから、ステージの作り込みに注目するのもおもしろい。プレイステーション Vita版のときは大してステージに興味を持たなかったものだが、空間の中をじっくりと眺められるようになるとついつい興味を持ってしまうようだ。『VRフューチャーライブ』のような未来感漂うライブ会場もいいが、楽曲のイメージを具現化した本作のステージはなかなかに刺激的。

 セガゲームスの人がおすすめしてくれただけあって、『バビロン』のステージはじつにアーティスティック。あの浮遊している入れ歯はいったい……。

 地面にもしっかり模様が描かれていて、これなどミクさんの頭頂部を拝まなければ気にも止めなかったところだった。バックにある建物、観覧車、巨大な風車と、リズムゲームでは何度もプレイしているはずなのに、知らない要素がわんさか出てくるのは、我ながらちょっと情けなくなってきた。

 このように、遊び慣れたステージなのに新たな発見ができるのはライブ鑑賞をVR対応にしてくれたおかげ。アップデート適用後にプレイすれば、もっといろいろな発見があるのは間違いないだろう。

 ちなみに、カメラの切り替えは↑↓←→ボタンで位置移動、左スティックで上下に微調整。上方からのカメラはないが、左スティックでカメラ位置を上下させることで、頭頂部を見たり、ある程度のローアングルから映したりすることも可能となっている。

 そのほか、重複するためにここでは語らなかったが『VRフューチャーライブ』と共通する驚きもやっぱり多数存在する。ミクさんがまさにそこにいるという感覚は、VRならではで本当にすごいと思う。

 そうそう。VR対応まではまだ期間があるが、先にソフトを購入してVR用にライブエディットしておくことをおすすめしたい。サンプルデータはいくつか用意されているが、自分だけの最高の演出でVRを体験するためにはエディットの手間がそれなりに必要となる。アップデート配信日に即体験するには、仕込みは必要不可欠。ぜひ、その日のために準備をしておいてほしい。

最終更新:8/16(火) 0:02

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