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【シンガポール】テスラの最新車種が上陸 陸上庁、環境適合車として認定

NNA 8月16日(火)8時30分配信

 米電気自動車(EV)大手テスラ・モーターズの「モデルS」の最新バージョンが、近くシンガポールの路上にお目見えする見通しだ。モデルSをめぐっては今年に入り、香港からの輸入車がシンガポール政府から環境適合車として認定されなかったとして、同社のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)がリー・シェンロン首相に抗議する一幕もあったが、新たに輸入された車両はすでに陸上交通庁(LTA)から優遇税制措置の適用にお墨付きを得ているという。
 シンガポールでは2013年1月に環境適合車に対する優遇制度「排出ガスに基づく車両スキーム(CEVS)」が導入された。1キロメートル走行当たりの二酸化炭素(CO2)排出量によって、課税区分を9段階に分類。排出量が160グラム以下の乗用車の購入者に優遇税制措置として5,000~3万Sドル(約37万6,000~226万円)の割戻金を支払うが、211グラム以上の車両の場合には5,000~3万Sドルを追加登録料(ARF)として徴収する仕組み。
 テスラのモデルSは、工場出荷時の検査で消費電力が1キロメートル走行当たり181ワット時(Wh)とされている。これはCO2排出量に換算すると、同90グラムに相当する。だが、あるシンガポールのIT企業幹部が香港から輸入した同車種をLTAが検査したところ、消費電力が1キロメートル走行当たり444Wh時に達することが確認され、CO2排出量が222グラムに相当するとして、1万5,000Sドルの炭素税が課された。テスラはこれを不服とし、検査方法に問題があるとして、シンガポール側に再検査を要請していた。
 現在、シンガポールの路上を走行するテスラ車はこの1台のみ。以前にも別の車両が走っていたが、12年に登録が取り消されている。
 15日付ビジネス・タイムズによると、LTAの報道官はシンガポールで3台目となる新たなテスラ車が輸入されたことを明らかにした。モデルSの最強版とされる「P85D」で、2台のモーターを積んだ4輪駆動車だ。LTAは同車種を、CO2排出量が160グラム以下の課税区分のうちA3に当たると認定。購入者は、1万Sドルの割戻金が得られるという。
 
 ■再検査はなし
 
 環境適合車として認定されなかったモデルSは中古車だったが、今回輸入されたのは新車とされる。このため、LTAはあらためてCO2排出量を確認する必要はないと判断したもよう。
 LTAとテスラは問題となった車の再検査について協議してきたが、LTAは今回「(購入後の)走行・保守によって車両の状態が変化しているため、再検査をしても意味がない」との見解を表明。一方のテスラは再検査に対する言及は避けた上で、政府の先進的な姿勢や消費者の環境意識の高さ、新技術の積極的な受容などを背景に、シンガポール市場での積極的な展開に意欲を示した。
 
 ■モデル3を導入へ
 
 テスラは10年にシンガポールに拠点を設けたものの、販売が振るわず、11年初めに撤退。CEVSの導入後、13年末に再び拠点を出し直した経緯がある。
 テスラの広報担当者によると、4月1日に発表した「モデル3」はシンガポールにも導入する方針。米国での販売価格は3万5,000米ドル(約355万円)で、18年の納車開始が予定されている。シンガポールでの価格や発売時期はまだ明らかにされていないが、すでに4月初めの時点で十数台の予約が入っているとも伝えられている。

最終更新:8月16日(火)8時30分

NNA