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お金持ちがリスクを冒してでも買う「資産を秘めた種」とは

ITmedia ビジネスオンライン 8月16日(火)6時40分配信

 6月6日の記事で「安定した売り上げを確保するには、普段から種まきをしておかなくてはならない」というお話をしましたが、銀座で飲んでいるお客さまが買うのは「資産を秘めた種」のようです。

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 成功者と呼ばれる人たちが購入する商品とはどういうモノでしょうか? 今回は、お金持ちの共通点についてご紹介します。

●旅行は未来の自分への投資

 冒頭で挙げた「資産を秘めた種」とはどういうモノでしょうか? 例えば、資産と呼ばれるモノの中に不動産があります。賃貸を目的に収益物件を買う人は家賃が下がりにくい駅近を選ぶなど、長期保有しても資産価値が下がりにくい、もしくは上がることを見込んで投資します。このように、のちに利益をもたらしてくれる不動産などは資産を秘めた種です。

 不動産などは多額の資金が必要ですし、誰でもすぐに手に入れられるというわけではありません。資金力の弱い若い人でもできる投資方法はないのでしょうか?

 不動産投資会社社長のAさん(50代)は、売却した際に購入金額を上回るクルマや時計、カバンを手に入れるのがいいとおっしゃいます。

 「本来、ブランド品や旅行などは資産購入に当てはまらない。ブランド物は流行があるし、旅行も家賃収入みたいに後でお金が自分に返ってくることはない。だけど、若いうちはあちこち旅行に行ったり、良いモノを買うようにしたほうがいいと僕は思っているよ」

 カバンや時計はなんとなく分かりますが、資産性のない旅行がなぜいいのでしょうか? さらに話を聞いてみました。

 「当たり前だけど、投資というのはまだ上がっていないモノを買うからもうかるんだ。不動産投資を例に挙げるなら、東京23区と地方、もしくは固定資産税のかからない海外の未開拓地を買うのとでは動く金額が違う。先見の明じゃないけれど、安く買って予想通り価格が上がればその投資は成功。もちろん、失敗することもある。デベロッパーが『あそこの土地はいいですよ』と言ったとしても、失敗を極力避けるには自分の目で現場を見ないとダメ。自分が行ったことがある場所なら、良いのか悪いのかの判断ができる。

 ゆくゆくはそういう資産を買いたいと考えているのなら、若いうちからできるだけ外に出ることにお金をかけるのは、未来の自分への投資。いろんな経験をして見る目を養うことが『資産を秘めた種』になる可能性は十分にある。

 いいスーツを着ていい時計をして、いいクルマに乗って――というのは、今の僕にはあまり魅力的ではないけれど、若いうちはそういうのも立派な種のもとだよ。いいスーツというのは分かる人には分かるから商談の可能性が広がるし、いい時計をは長く使える。クルマも同じで、ディーラーで素晴らしいサービスを受けられるからそういう世界を知ることができる。若いうちはお金を使って種を作ることが大事。稼いだ金で経験を存分に買うことを惜しんではいけないよ」

●利益をもたらしてくれる種をまく

 Aさんがおっしゃる通り、投資で資産を築くにはそれなりの経験をして目利きにならなくてはなりませんが、世の中には投資以外の方法で成功している人も大勢います。例えば、会社の重役クラスなどがそれに当てはまるのですが、そういう人たちはどうしているのでしょうか?

 疑問に思う私に、Aさんはこうお話してくださいました。

 「お金持ちと呼ばれる人は、傍からはあまり見えないかもしれないけれど、実はそれなりにリスクを抱えている。日本は所得税が高いから、企業の経営者クラスの人たちの多くは給料を極力抑える代わりに、税率の安い株式の配当を受け取っている。でも、会社が赤字経営なら配当は出ないから、リスクを抱えているということだよね。

 よく、『投資はハイリスク・ハイリターン』と言うけれど、リスクをハイにするのかローにするのか、もしくは人為的なリスクを限りなくゼロに近づけられるかは自分がまいた種次第。収入を米に例えるなら、いい種をまけばいい米が収穫できるし、そうじゃない種は畑まで腐らせてしまう。災害でダメになることもあるけれど、種を多くまいておけば全滅は避けられるし、知恵があれば対策もできる。

 会社と言えど、そもそも他人の集合体。会社が大きくなれば人数も増えるし、パワハラやセクハラなどの問題も起こりやすい。でも、ある程度のリスクを取ってでも質の良い種をまき続けていれば、後々自分に利益をもたらしてくれるんだよ」

●「ロス」を取ってリターンを得る

 成功者の多くは、「お金を使いすぎなくてもいいシステムがある」とおっしゃいます。

 例えば、飛行機のビジネスクラスやファーストクラスを利用する人は、フライト前にラウンジでくつろげますからお茶やアルコール代はかかりませんし、エコノミークラス症候群防止のグッズを買う必要もありません。生活面でも、いわゆる高級マンションは、エアコンをはじめとする家電のほとんどは備え付けですからわざわざ自分で買いに行くこともありません。また、会社の代表や役員クラスになると仕事での接待が多くなりますから、食事代や車代で身銭を切ることもあまりないと聞きます。

 このような話を聞くと「なんだよ、会社の金じゃないか」と思われるかもしれませんが、それはリスクを取っていればこそ。会社のトップは一度でも失敗すれば会社の存続問題に関わりますから、常に成功し続けなければなりません。赤字ではなくても、いつまでも収支がトントンでもうけが出ない状態のままでは、枕を高くして寝ることはできません。

 6月27日の記事でご紹介した新橋の某和食店は、今でこそ予約が難しいと言われていますが、当初はお客さまが全く来ない日々が続いていましたし、毎日行列をなしている洋菓子店も、3年間は毎日お菓子を捨てていたといいます。両者に共通するのは、成功するためのロス(リスク)を取りつつも、その先のリターンを得るための努力をしたからです。

●ホステスが自分にお金をかける理由

 われわれホステスはこの業界に入るとき、オーナーやママ、お客さまから「自分にお金をかけなさい」と教えられます。それは、自分自身が「資産性のある種」だからです。

 先の不動産投資と同じく、ホステスは米を収穫する畑そのもの。質の良い米を収穫するために畑を耕し、至れり尽くせりの世話をしなくてはなりません。その流れがいったんできれば、後は定期的に米を収穫できるようになります。

 ホステスは、自分を磨くことでいいお客さまがついてくれることを分かっているので、服も食事も、常にいいモノを選ぶよう徹底しています。いつも大枚をはたいているので実入りがいいと思われがちですが、自己投資の一部としてお客さまにお年賀やお歳暮をお贈りしますから、実際、“お足”は早いです。しかし、収益物件の不動産と同様、きちんとメンテナンスをすることで安定した収入が得られるのです。

 世間では夏休みの旅行の計画を立てたり、ボーナスの支給があったりと日々のストレスから少しだけ解放される時期ではないでしょうか。まだ夏休みやシルバーウイークの過ごし方を決めていないようでしたら、自分の未開拓地を探して出向いてみてはいかがでしょうか。

(桃谷優希)

最終更新:8月16日(火)6時40分

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