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中国株 売りが先行か 香港市場は企業の決算発表や指数の銘柄入れ替えなどに注目

ZUU online 8月16日(火)12時0分配信

■先週の中国株式市場

上海株 大幅上昇 深センと香港の両市場の株式相互取引への期待などを好感

◆先週の概況

先週の中国株式市場は大幅に上昇しました。上海総合指数が週間で2.5%反発した一方、ハンセン指数が2.8%続伸しました。

先週の上海総合指数は買いが先行し節目の3,000ポイントを回復しましたが、主要経済指標の発表を控えたなか、国内の銀行が不動産開発向け融資を引き締めているとの報道も嫌気され、10日と11日に軟調に推移しました。

但し、12日に証監会が深センと香港の両市場の株式相互取引の開始に向けた特別作業部会の設置を認めたことで急反発し、結局週間で2.5%上昇して取引を終了しています。

■香港ハンセン指数採用銘柄 週間騰落率ランキング

◆上昇

ティンイー (康師傅・00322)は好決算を期待する買いが入り、週間で11%超上昇しました。また、外資系証券がレポートでカジノセクターの収益が好転すると指摘したことなどを受けてカジノのサンズチャイナ(金沙中国・01928)やギャラクシー・エンターテインメント(銀河娯楽・00027)が揃って大幅に上昇しました。

先週相次いで発表された中国の7月の主要経済指標が冴えない結果となったことで追加緩和期待もあってか、金融株が軒並み堅調に推移しました。

なかでも銀行のインダコマシャルバンク (中国工商銀行・01398)やバンクオブコミュニ (交通銀行・03328)が大きく買われたほか、保険のピンアンインシュアランス (平安保険・02318)も6%超物色されました。

◆下落

ハンセン指数の構成銘柄のうち下落したのは2社に留まりました。なかでも減益決算を発表した地下鉄運営のエムティーアール (MTR・00066)が大きく売られ、週間で4%近く下落しました。保険大手のAIAグループ (友邦保険・01299)は配当落ちの影響もあって週間で0.1%下落したもののほぼ横ばいでした。

■先週発表された主な経済指標

◆8月7日 中国外貨準備高 7月 32011億ドル 市場予想 32000億ドル 前月 32052億ドル

7月末の外貨準備高は32011億ドル(約326兆円)と前月から減少したものの、市場予想を上回りました。中国外貨準備高が小幅に減少した理由は、中国人民銀行が市場介入を抑制したことや、ドル相場下落で他の保有通貨の評価額が増加したことなどが挙げられます。

◆8月8日 中国貿易収支 7月  +523.1億ドル 市場予想 +473.0億ドル、前回 +481.1億ドル

輸出 7月  -4.4% 市場予想 -3.5%、前回 -4.8%
輸入 7月  -12.5% 市場予想 -7.0%、前回 -8.4%

7月の中国の輸出は前年比4.4%減と前月から減少率がやや縮小したものの、3.5%減の市場予想に届きませんでした。また、7月の輸入は7%減を見込んでいた市場予想に対して前年比12.5%減となり、減少率が前月から大きく拡大しました。この結果7月の貿易収支は前月から黒字額が増加し523.1億ドルの黒字となっています。

輸出については、「中国輸出金額の推移 地域別」のグラフを見ると、米国向けの輸出を除く各地域向けの輸出が減少しました。特に、米国向けの輸出(6月の145→7月の149)の増加が目立った一方で、アジア(6月の199→7月の194)や日本(6月の119→7月の111)、欧州(6月の113→7月の107)向けの輸出が揃って減少傾向がみられました。

◆8月9日 消費者物価指数(CPI、前年比) 7月 +1.8% 市場予想 +1.8%、前回 +1.9%

7月のCPIは前年比1.8%増と前回から伸びが小幅に低下し、市場予想と一致しました。内訳をみると、食品を除くCPIが前年比1.4%増と小幅に上昇した一方、食品CPIが前年比3.3%増と前月から伸びが低下しました。特に豚肉(前年比2.1%減)や果物(前年比1.9%減)などの値下がりが目立っています。

◆8月9日 生産者物価(PPI、前年比) 7月 -1.7% 市場予想 -2.0%、前回 -2.6%

原材料価格が上昇したことを受けて、7月のPPI は前年比1.7%減と市場予想を下回り、前月と比べ改善の傾向を示しています。

◆8月12日 固定資産投資(前年比) 7月 +8.1% 市場予想 +8.9%、前回 +9.0%

7月の固定資産投資額は前年比8.1%増と市場予想に届かず、前月から伸びが低下しました。内訳をみると、鉄道の固定資産投資が小幅に上昇した一方、建設業や製造業、不動産の固定資産投資が軒並み低下しました。

◆8月12日 鉱工業生産(前年比) 7月 +6.0% 市場予想 +6.2%、前回 +6.2%

7月の鉱工業生産は6.0%増と市場予想を下回り、前月から伸び率が小幅に低下しました。

◆8月15日 マネーサプライM2(前年比) 7月 +10.2% 市場予想 +11%、前回 +11.8%

7月のマネーサプライM2は前年比10.2%増と、11%増の市場予想を下回りました。また、1月の新規人民元建て融資は4636億元と、8500億元の市場予想の約半分に留まりました。さらに、総資金調達額(中国元)は4879億元増と市場予想に届かず、前月から増加額が大きく減少しました。これを受けてマネーサプライやクレジットの供給は減少する傾向にあることが窺がえます。

■今後発表される主な経済指標

特に重要な経済指標の発表はありません。

■マーケットビュー

◆中国株 売りが先行か 香港市場は企業の決算発表や指数の銘柄入れ替えなどに注目

先週の上海総合指数は大幅反発となりました。買いが先行し節目の3,000ポイントを回復してスタートした上海総合指数は売りに押される場面もみられましたが、3,000ポイントを割り込んだところで下げ渋り底堅さをみせると、証監会が深センと香港の両市場の株式相互取引の開始に向けた特別作業部会の設置したことを好感し、週末には大幅高となりました。結局、上海総合指数は週間で2.5%の上昇となっています。

先週のハンセン指数は米国株高や原油価格の上昇などに加え、深センと香港の両市場の株式相互取引の開始への期待も追い風となり大幅続伸となりました。大幅高でスタートしたハンセン指数は、大きく下げることなくその後も堅調に推移すると週間で2.8%上昇し、年初来高値を更新して取引を終えています。

上海総合指数とハンセン指数はともに、深センと香港の両市場の株式相互取引の開始への期待が高まるなか堅調なスタートとなりそうです。但し、先週末に発表された中国の7月の金融統計で新規融資やマネーサプライM2などが軒並み市場予想を大きく下回ったことに加え、両指数が先週に大きく上昇したこともあって利益確定売りに押される可能性もありそうで、要注意です。

こうしたなか上海総合指数はどこまで上値を伸ばせるのか、ハンセン指数は決算発表が本格化するなかで堅調な地合いを今週も維持できるのかがポイントとなりそうです。

香港市場では決算発表が本格化します。17日には保険のピンアンインシュアランス (平安保険・02318)や中国通信大手のチャイナユニコムホン (中国聯通・00762)、インターネットサービスのテンセント (騰訊控股・00700)などが、そして18日には商社のリーアンドフン (利豊・00494)やエネルギーのクンルンエネルギー (昆侖能源・00135)、パソコン大手のレノボグループ (聯想集団・00992)などが決算を発表する予定です。

50銘柄で構成されるハンセン指数では構成銘柄の入れ替えが発表されました。新たにAACテクノロジー (瑞声科技・02018)が採用される一方で、ティンイー (康師傅・00322)が除外されることになりました。なお、入れ替えは9月5日に実施されます。

林宇川(TonyLin)
マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部

最終更新:8月16日(火)12時0分

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