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EMS市場は拡大が続く、家庭・産業分野ともに安定成長

スマートジャパン 8月16日(火)11時10分配信

 調査会社の富士経済は2016年8月8日、「2016 エネルギーマネジメントシステム関連市場実態総調査」を発表した。電力システム改革やIoT技術の進展により、本格的に活用が進みつつあるエネルギーマネジメントシステム(EMS)の国内市場は、今後家庭/産業・業務分野のどちらも順調に拡大していく見込みだ。

 調査結果では家庭分野の2016年のEMS市場規模は129億円で、2020年には約2.83倍の366億円に拡大すると予測している。なお、家庭分野で対象としたのはHEMS、住宅向けの電力計測対応分電盤、家庭向け省エネサービスである。

 家庭分野の市場成長の中核を担うのがHEMSだ。調査では2016年の国内HEMS市場は前年比107.7%成長の70億円で、さらに2020年には168億円にまで拡大すると予測している。こうしたHEMS市場の拡大要因となるのが、ZEH補助金、パワーコンディショナーのリプレースや蓄電システムの設置などと併せた提案などによる導入増があるとしている。

 さらにHEMS市場とともに、分電盤にCT(電流センサー)を内蔵し、回路ごとの電力量を計測することでHEMSにおけるエネルギーの「見える化」を実現する電力計測対応分電盤の市場も拡大していく見込みだ。調査では2016年の市場規模を40億円と見込み、2020年には4倍以上の170億円規模まで拡大すると予測した。

 製品ではパナソニックが2014年に投入した「スマートコスモ」が市場拡大をけん引している。これまでは通常の分電盤との価格差が大きいことや施工しにくい点が市場拡大を阻害する要因の1つになっていたが、既にこうした課題は解決しつつあり、今後の市場拡大は加速していくと予測している。

 家庭向け省エネサービスは市場規模がまだ小さいが、長期的には創エネ/蓄エネ設備の普及、ビッグデータ技術の活用による生活支援サービスとの統合などにより、拡大が期待されるとしている。

産業分野も安定成長、けん引役はBEMS

 産業・業務分野はBEMS(BAベース/BEMS単独システム)、FEMS、REMS、単回路電力モニター、多回路計測ユニット、マルチ指示計器、計測機能付ブレーカー、データ収集サーバー、デマンドコントローラー、業務・産業向け省エネサービスを対象に調査を行った。

 2016年の市場規模は前年比104%成長の783億円を見込んだ。今後も安定した市場拡大が続き、2020年には911億円規模に拡大すると予測している。

 産業・業務分野の市場拡大をけん引するのは、BEMSという予測だ。特にBAベースのBEMSが大きなウェイトを占めるとしている。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた特需の終わりとともに一時的な伸び悩みが予想されるが、クラウド・ビッグデータ技術の活用により、施設のZEB化や多拠点統合管理、ビル管理の高度化などへの対応に向けたリプレース需要が拡大すると予測している。

 また、クラウドをベースとした比較的低コストで導入可能なBASは、中小規模施設で新規導入が増加する可能性もあると指摘。業務・産業向けのサービスは多様な分野の高圧小口需要家まで裾野が広がっており、中小規模事業者の採用増により堅調にすると予測した。今後電力小売事業者が省エネサービスを提案するケースも増加することも予想され、これにより普及ペースが加速する可能性もあると指摘している。

最終更新:8月16日(火)11時10分

スマートジャパン